ゴールドマン・サックス、2024年中に「3つの資産トークン化プロジェクト」展開か
世界的な投資銀行のゴールドマン・サックスが、2024年に3つのトークン化プロジェクトを開始することが「Foretune」などの報道で明らかになりました。
同社のデジタル資産担当グローバル責任者であるトップ、マシュー・マクダーモット(Matthew McDermott)氏は、顧客のニーズが高まっていることを考慮して、トークン化に力を入れていく方針を示しています。
ゴールドマン・サックスのトークン化プロジェクトは、アメリカの投資信託やヨーロッパの債券市場など、いろいろな分野に取り組みます。マシュー・マクダーモット氏は、トークン化した資産の取引の場を作ることで、お金の効率と流動性を上げたいと強調しました。
同社は、イーサリアム(ETF)のような完全に分散型のブロックチェーンではなく、ルールに合わせやすいパーミッションド・ブロックチェーンに注目しています。これは、厳しい基準を守るためで、機関投資家のニーズに応えることが目的です。
ゴールドマン・サックスは、ブラックロックやフランクリン・テンプルトンなど、トークン化で進んでいるライバル会社とは違う立ち位置を取っています。具体的にはブラックロックのイーサリアム型のトークン化ファンド「BUIDL」が個人の顧客向けなのに対し、ゴールドマン・サックスは機関投資家を重視しています。
マシュー・マクダーモット氏は、ゴールドマン・サックスが2021年からパーミッションド・ブロックチェーンに取り組んでいると強調しました。同社は過去に、ヨーロッパ投資銀行と協力して債券を出したり、香港金融管理局による環境分野への取り組みへの特化し、事業の資金到達を目的とした債券をトークン化しています。
ゴールドマン・サックスは、機関投資家の立場から暗号資産分野に積極的に関わってきました。顧客の代わりに現金決済の暗号資産デリバティブを取引したり、ETF市場で重要な役割を果たしたりしています。マシュー・マクダーモット氏は「デジタル資産の取り組みは、機関投資家の変化するニーズに合った商品を作ることが目的」と述べました。
同氏のビジョンには、トークン化した資産の取引の場を作ること、取引スピードを上げること、担保に使える資産の種類を増やすことなどが含まれます。
ゴールドマン・サックスはデジタル資産の基盤作りを続ける中、機関投資家に、めまぐるしく変化する暗号資産市場を乗り切るために必要な道具と場所を提供することを目指しています。