Swift活用のステーブルコイン国際送金基盤を構築「Project Pax」始動

by BITTIMES   

高速・安価なクロスボーダー送金基盤を構築

ProgmatとDatachainは2024年9月5日に、ステーブルコインを活用した高速&安価なクロスボーダー送金基盤を構築する共同プロジェクト「Project Pax」の開始を発表しました。

Project Paxは、ProgmatとDatachainの共同開発によるステーブルコイン活用のクロスボーダー送金基盤構築プロジェクトであり、国内外の金融機関との協力を得て、国際送金のコスト削減&スピード向上を実現し、24時間365日稼働可能な送金システムを実現することを目指しています。

クロスボーダー送金とは国境を超えた送金のことを指します。クロスボーダー送金市場は2022年に182兆ドル規模に達していますが、その一方では送金コスト・着金スピード・アクセス・透明性などで抜本的な改善が求められているため、今回のプロジェクトではステーブルコインを活用して「高速・安価で24時間365日稼働可能なクロスボーダー送金」の実現を目指します。

金融大手も参加、2025年の商用化目指す

Project Paxでは、金融機関同士の国際的な送金インフラである「Swift」の既存APIフレームワークを使用して銀行経由のステーブルコイン送金を実現し、AML/CFT(マネーロンダリング防止/テロ資金対策)や規制対応なども考慮したシステムを構築します。

また、異なるブロックチェーンを跨ぐクロスチェーン取引では、Cosmosのブロックチェーン間通信プロトコルである「IBC」、Datachain社が開発をリードするミドルウェア「LCP」、Progmat社とDatachain社が共同開発したステーブルコインコントラクト、クロスチェーンインフラを提供するTOKIの流動性プールを活用するとのことです。

Project Paxでは、既に国内外の主要金融機関の関与が決定しているとのことで、今後は順次関係金融機関名を公表しながらより多くの国・金融機関へと連携を拡大し、2025年の商用化を目指すと説明されています。

また、プロトタイプを用いた実証実験もまもなく開始される予定で、商用化に向けたプロセスでは、随時参画金融機関や対象地域を拡大しつつ、ステーブルを用いた国際決済網のグローバルスタンダードを構築していくとされています。

【公表時点の国内関係金融機関】

  • 株式会社みずほフィナンシャルグループ
  • 株式会社三井住友フィナンシャルグループ
  • 株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ

(画像:Datachain)(画像:Datachain)

ステーブルコインで国際送金が大きく変わる

現在の国際送金では、スムーズに送金できた場合でも数十分程度の時間がかかり、マネロン対策情報などの不備があった場合には送金に1ヶ月程度かかる場合もあると伝えられています。

また、Swiftを活用した国際送金では、銀行経由で200ドルを海外送金した場合に、2013年〜2019年の平均で「送金額の17.5%に相当する手数料」がかかっていたとも報告されています。

しかし、今回発表されたステーブルコイン活用のクロスボーダー送金基盤では、着金までの時間を理論上で数秒〜数分程度に短縮することができるとのことで、金融機関は新たなシステムを構築することなく、既存の仕組みを活用して送金オプションを提供できるため、投資コストも削減できると期待されています。

さらに、ステーブルコイン活用のクロスボーダー送金基盤では、企業や個人がステーブルコインを管理する必要もなく、従来通りの簡単な手続きで送金を行うことができるとされています。また、企業や個人が支払うコストは為替手数料とブロックチェーン基盤の利用料のみであるため、利用者の負担も大幅に下がると予想されています。

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Souce:Datachain公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル画像:Freepikのライセンス許諾画像を用いて作成

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