
トランプ一族支援のWLFI、ステーブルコイン「USD1」の立ち上げを発表
WLFI、ドル連動型「USD1」発表
ドナルド・トランプ米大統領一族が支援する「ワールド・リバティ・ファイナンシャルInc.(WLFI)」は2025年3月25日に、米ドルと連動する新たなステーブルコイン「USD1」の立ち上げ計画を発表しました。
公式発表によると、ステーブルコインUSD1は「1 USD=1 USD1」で交換可能な設計となっており、短期米国債・米ドル預金・現金同等物によって100%の裏付け資産が確保される構造となっています。
USD1はまずイーサリアム(ETH)およびBNBチェーン上で発行され、将来的には他のブロックチェーンにも対応する予定です。
また、USD1のカストディ(保管管理)業務は米カリフォルニア拠点のデジタル資産企業BitGo(ビットゴー)が担当することも報告されており、BitGoのプライムブローカレッジ部門もサポートを行い、保険付きの規制準拠環境での流動性供給や取引執行を提供するとしています。
ステーブルコインとは?
USD1の強固な資産裏付け
WLFIによれば、USD1の価値は常に1米ドルにペッグ(維持)されるよう設計され、その準備金は第三者監査法人による定期監査を受ける予定です。
アルゴリズム型や無担保型の仮想通貨とは異なり、USD1は伝統的金融の信頼性を取り入れた保守的なアプローチを採用しており、複雑な利回り生成策を避けることで価格安定性と透明性を確保しています。
WLFI共同創設者ザック・ウィトコフ氏は次のように語っています。
USD1は、アルゴリズムと匿名性を重視した仮想通貨プロジェクトが提供できないものを提供します。それは、伝統的な金融の最も信頼されている名の裏付けと保証によって支えられた、DeFiの力へのアクセスです。
私たちは、主権投資家や大手機関が自らの戦略に組み込み、シームレスで安全な国際取引を行えるデジタルドルステーブルコインを提供しています。
財務資産にトロンを追加か
USD1普及には規制などの課題も
WLFIは昨年、独自トークン販売で5億5,000万ドル(約830億円)以上の資金調達に成功しており、その資金を活用してUSD1の展開とDeFiエコシステムの拡大に取り組む方針と見られています。
発表直後、仮想通貨コミュニティからも大きな反響が見られました。大手取引所Binance(バイナンス)の創業者であるチャンポン・ジャオ(CZ)氏は自身のXで、USD1のスマートコントラクトがBNBチェーン上で稼働したことを受け「BNBチェーンへようこそ」と投稿しました。
しかし数時間後には「この投稿以降、同名の偽物コインが多数作られている」として、ユーザーに注意を呼びかけています。
I was told since this post, a lot of scammers created coins with the same name.
— CZ
The official USD1 is not tradable yet.
Please do not fall for the scams.https://t.co/MU2nmrIts7
BNB (@cz_binance) March 24, 2025
この投稿以降、多くの詐欺師が同じ名前のコインを作成していますのでご注意ください。
公式のUSD1はまだ取引できません。
詐欺にご注意ください
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一方、新規参入するUSD1が広く利用されるには時間と課題があるとの指摘もあります。
米国のフィンテック企業CEOである ケビン・レティニッティ氏は「ステーブルコインの立ち上げ自体は容易だが、そのエコシステムを構築することははるかに難しい」とした上で「トランプ氏は他の米企業と競合するつもりなのか、それとも提携していくのか注目される」とコメントしています。
WLFI陣営は米規制当局との調整やライセンス取得、マネロン対策(AML/KYC)や準備金情報開示などクリアすべき課題が多いとの声もあり、大統領本人がプロジェクトに関与していることへの倫理的・政治的な懸念も示されています。
トランプ大統領は就任後に「仮想通貨フレンドリーな政策」への転換を掲げ、業界規制の見直しや健全なデジタル経済の育成に注力する意向を示しています。USD1がこうした公的支援を追い風に、どこまで市場に浸透できるかが注目されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.44円)
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Souce:WLFI公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用