ロールス・ロイス:航空ブロックチェーン企業「ブロックエアロ」に助成金授与
航空機エンジンや船舶・エネルギー関連機械などを製造・販売しているイギリスの工業メーカー「Rolls-Royce(ロールス・ロイス)」は、航空部門向けのサプライチェーンに特化したブロックチェーンネットワークを開発するための助成金37,000ドル(約404万円)を航空宇宙ブロックチェーンのスタートアップ企業「Block Aero(ブロックエアロ)」に授与したことを発表しました。
こちらから読む:国内テレビ局がBCアプリの技術検証「ブロックチェーン」関連ニュース
航空機エンジンのメンテナンスを効率化
Rolls-Royce(ロールス・ロイス)は今月初めにハッカソンを開催し、航空機エンジンの生産やメンテナンスに関連する利害関係者をつなぐためのブロックチェーン開発を求めました。このハッカソンには多くのブロックチェーン開発企業が参加しましたが、今回は航空宇宙のサプライチェーンに関する専門知識を有していた「Block Aero(ブロックエアロ)」が優勝を掴みました。
「Block Aero」は、人工知能(AI)を使用して航空分野の資産管理プロセスを自動化する航空宇宙ブロックチェーンを開発しているスタートアップ企業であり、ブロックチェーン技術を使用して航空機の所有権やコンプライアンス、製造過程などに信頼性をもたらすプラットフォームを提供しています。
ロールス・ロイスのエンジンは「ボーイング787」や「エアバスA380」などといった様々な航空機で使用されていますが、エンジンのメンテナンスを行う際には複数の関連企業の間で「手動でのチェック・紙への記録作業」を行う必要があったため、多くの事務処理が必要になり、時間と費用がかかっていました。
しかし、これらの情報管理にブロックチェーン技術を取り入れて航空会社と製造業者全体をつなぐことによって、製造工程全体で効率的に情報を管理・共有して「どの部品を交換/修理する必要があるか」や「どの企業が責任を負う必要があるか」などを素早く特定することができると期待されています。
「Block Aero」はこれまでにも大手航空会社と共同でブロックチェーンプロジェクトに取り組んできており、今年の初めにはエンジンのオーバーホール時間を短縮するためにアラブ首長国連邦(UAE)アブダビの国営航空会社「Etihad Airways(エティハド航空)」ともテストプロジェクトを開始しているため、今後も同社の技術は積極的に活用されていくことになると予想されます。