インド中央銀行:最高裁判所の「仮想通貨禁止令撤回」要求に異議
インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)に「仮想通貨取引所などに対する"銀行口座サービスの提供禁止命令"を撤回するように」との命令を下した最高裁判所に対して、RBIが"再審"を要請する計画を立てていることがインドの経済誌「Economic Times」の報道で明らかになりました。
こちらから読む:インド最高裁、RBIの銀行サービス禁止命令は「憲法違反」と判断
インド準備銀行「再審要請」を計画
インドの最高裁判所は今月4日に、インド準備銀行(RBI)が同国の銀行に対して「仮想通貨取引所などといった仮想通貨の取引・決済を行う個人や組織に銀行口座サービスを提供することを禁止する」と命令していたことについて、"これらの命令は憲法違反である"という判決を下し、命令を撤回するように要求していました。
この判決が下されたことによって、インド国内の仮想通貨関連企業は早速"法定通貨の入出金サービス"などを再開しており、3月5日には「Unocoin(ウノコイン)」や「WazirX(ワジールX)」などの仮想通貨取引所が銀行口座サービスを再開していると報告されていましたが、地元の経済誌「Economic Times」の報道によると、インド準備銀行(RBI)は最高裁判所に対して"再審"を要請する計画を立てていると伝えられています。
報道によると「RBIは今回の判決が下されたことによってインド国内で仮想通貨取引が活発化し、銀行システムを危険に晒す可能性があることを懸念している」とのことです。
最高裁判所は「銀行サービス禁止はできない」と判断
インド準備銀行(RBI)はこのように主張しているものの、最高裁判所は現時点で「法律の範囲内で仮想通貨取引を行なっている場合は、そのような組織・個人に対する銀行サービスを禁止することはできない」との見解を示しており、「市民は仮想通貨取引や新しい産業を作成する権利や取引を行う基本的な権利を有している」と述べていると報告されています。
さらに今回の報道では、最高裁判所が「中央銀行は"仮想通貨取引が事業に損害を与えていること"を実証できていない」と述べていることも報告されています。
RBIが再審を要請した場合には「仮想通貨関連の組織・個人に対する銀行サービスの提供」について、再度検討が行われる可能性がありますが、過去の事例からみると「判決が下された直後に決定が覆された事例は少ない」とも報告されているため、再び銀行サービスが禁止される可能性は低いと考えられています。