航空機部品の追跡・販売で「ブロックチェーンプラットフォーム」活用:ボーイング
世界最大の航空宇宙機器開発製造会社「Boeing(ボーイング)」が、電子制御システムや自動化機器を製造販売しているアメリカの多国籍企業「Honeywell(ハネウェル)」が提供しているブロックチェーンプラットフォーム「GoDirect Trade」を通じて不要になった航空機部品の追跡・販売を行なっていることが明らかになりました。
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「10億ドル相当の航空機部品」を販売・追跡
Boeing(ボーイング)社が活用している「GoDirect Trade」は、航空宇宙業界の買い手と売り手を繋ぐ航空機部品の売買プラットフォームであり、オープンソースのブロックチェーンプラットフォーム「Hyperledger Fabric」のカスタムバージョンを用いて構築されています。
この売買プラットフォームは販売されている部品の起源を証明すると共に、安全基準に準拠した部品を取り扱うように設計されているため、購入者の人々は安心して航空機部品を購入することができるようになっています。
通常、航空機部品には製造元などの重要な情報を記載した「証明書」が付属しており、製品の品質証明などに役立てられていますが、従来の証明書は取引を行う際に物理的に移動する必要があり、記載されている情報を改ざんされる危険性なども潜んでいました。
一方「GoDirect Trade」はこれらの情報をブロックチェーン上で管理しているため、情報改ざんの心配がなく、証明書のやり取りもスムーズに行うことができるようになっています。
「Forbes」の報道によると、ボーイング社は不要になった部品や余分なパーツを「GoDirect Trade」で販売しているとのことで、同社が出品した部品の総額は10億ドル(約1,024億円)にものぼると伝えられています。
HoneywellのゼネラルマネージャーであるLisa Butters氏は『GoDirect Tradeの最初の1年の売り上げは700万ドル(約7.2億円)だった』と語っていますが、今後の成長には強い自信を示しており『2020年末までには2,500万ドル(約25億円)、2021年までには1億ドル(約102億円)、2022年までには10億ドル(約1,027億円)の売り上げを記録するだろう』と予想しているため、今後の発展にも注目です。