Google検索における「仮想通貨関連の詐欺広告」止まらず|なぜ掲載は続くのか?
Google(グーグル)関連のサービスで有料販売されている広告枠では以前から「仮想通貨関連の詐欺広告」が多数掲載されていたため、多くの公式企業やコミュニティが注意喚起をおこなっていましたが、依然としてそれらの詐欺広告は掲載され続けていると報告されています。ビットコイン取引所「CoinCorner」のMolly Spiers氏は、詐欺広告の掲載が止まらない理由して『詐欺師が"ある方法"で制限をうまく回避しているからだ』と説明しています。
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「Google広告」と「仮想通貨関連詐欺」の問題
Google(グーグル)が提供している「Google検索」や「YouTube」などのサービスでは、希望者が広告掲載料を支払うことによって自分のコンテンツを検索結果の上位に表示させることができるサービスが提供されていますが、これらの広告枠には数年前から「仮想通貨関連の詐欺広告」が掲載されており実際に被害も出ていたため、公式企業やコミュニティなどは定期的に注意喚起を行なっていました。
これらの詐欺広告はここ最近で特に大きな話題となっており、最近ではRipple(リップル)社がYouTubeに対して『YouTube側がXRP関連の詐欺広告を放置したことによってブランドに傷がついた。さらにYouTubeはそれらの詐欺師から"広告料"も得ている』といった内容で訴訟を起こしたことも報告されています。
仮想通貨関連の詐欺広告に関する注意喚起は「仮想通貨取引所・仮想通貨企業・仮想通貨メディア・インフルエンサー・個人」などによって数年前から定期的に行われており、特に企業などは"詐欺被害者への対応"で多くの時間や経費を割かれていたため、Googleには早急な対応が求められていましたが、依然として詐欺広告は掲載されていると報告されています。
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ビットコイン取引所「CoinCorner」の詐欺広告
ビットコイン取引所である「CoinCorner(コインコーナー)」でマーケティングマネージャーを務めているMolly Spiers氏は、2020年4月30日のツイートでGoogle検索で上部に表示される"広告枠"に同社の公式サイトを偽装した"詐欺サイト"の広告が掲載されていることを報告し、『GoogleAdsは正当な仮想通貨企業の広告を許可せずに、詐欺サイトの広告を許可している』と指摘しています。
So @GoogleAds won't allow @CoinCorner - a long-standing, legitimate business - on their platform, but will allow phishing companies? Pay attention @Google! pic.twitter.com/kvFAoYo1Gd
— Molly Spiers (@coincornermolly) April 30, 2020
GoogleAdsは長年に渡って正当なビジネスを継続している「CoinCorner」を許可していないのに「フィッシング企業」は許可するのですか?Googleに要注意!
同氏が添付している画像に掲載してある詐欺広告は、公式サイトの「www.coincorner.com」というURLに"r"を1つ足し「www.coincorner"r".com」とすることによって公式サイトを偽装しています。これは過去にも数多く報告されている典型的な詐欺手法の一つであり、公式サイトを偽装してユーザーに個人情報を入力させ、ユーザーの資産などを盗むために使用されています。
Spiers氏によると、この詐欺広告は「Google.com」と「Google.co.uk」で"CoinCorner"と検索した際に表示されたと報告されています。現在この詐欺広告はGoogleによって削除されていますが、同様の手法を用いた詐欺広告は繰り返し掲載され続けているため今後も注意が必要です。
なぜ「詐欺サイトの広告」だけが許可されるのか
Spiers氏によると、Googleは2018年に仮想通貨関連の広告を全面的に禁止したため、マン島を拠点とする仮想通貨取引所は「Google広告」に広告を掲載することができないとされています。Googleはその後、"一部の禁止命令を解除する"と発表しましたが「CoinCorner」は依然として広告を許可されていないとのことです。
「"CoinCorner"の広告が許可されずに、"フィッシングサイト"の広告が許可されている理由」に関しては『詐欺サイトはビットコインや仮想通貨などのキーワードに全く触れないようにすることによって、Google広告の制限をうまく回避している』と説明されています。
Spiers氏によると、ビットコインや仮想通貨などといった仮想通貨関連のキーワードを使用する広告は自動的に不承認となるため、詐欺サイトは「CoinCorner」の公式サイトと同じテキストを使用しつつ「ビットコイン」に関するテキストを全て削除していたとのことです。
Googleがこのような詐欺広告すべてに対処するためには、悪意を持って様々な手法でチェックを回避し続ける詐欺師たちに対応しつつ、正当な広告にも被害を与えないようにシステムの変更を行う必要があるため、実際に詐欺広告がなくなるまでには時間がかかると予想されます。
日本と米国における「Google広告」では仮想通貨取引所関連の広告表示が"許可されている"ため、現時点でも仮想通貨関連のキーワードを検索すると検索結果上部に仮想通貨関連の広告が表示される場合がありますが、これらの広告に関しても"詐欺"の報告が多数報告されているため、個人情報を扱うウェブサイトにアクセスする際には十分注意するようにしましょう。