ブロックチェーン活用した「中古車情報マーケットプレイス」設立:シンガポール
シンガポールで人気の自動車販売ウェブサイトを運営している「sgCarMart」は、分散型データ交換プロトコルを提供している「Ocean Protocol(オーシャン・プロトコル)」のブロックチェーン技術を採用した「中古車情報マーケットプレイス」を立ち上げたと発表しました。
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中古車購入者に「信頼できる情報」を提供
シンガポールでは中古車を購入することが一般的であり、2018年には毎月約9,000台の自動車で所有権の変更が行われたと報告されています。中古車を購入する際には、中古車販売店から提供された車両の情報を信頼して購入することが一般的です。しかし、場合によっては「走行距離の改ざん」や「過去の事故記録」などの情報が改ざんされている可能性もあり、一般の人々はそれらを詳しく調べることができないため、中古車の購入にはリスクがあります。
「sgCarMart」と「Ocean Protocol」が立ち上げたマーケットプレイスは、このような中古車の問題点を解決できるように設計されていると伝えられています。具体的には、自動車に関する情報を"改ざんが非常に難しい"という特徴をもつブロックチェーンに記録することによって、自動車の所有者情報や修理履歴、走行距離などといった様々なデータを安全に記録することができ、必要に応じて簡単に確認することができるような仕組みとなっています。
さらに「Ocean Protocol」は、データ共有に対してインセンティブ(報酬)を与えるプラットフォームを提供するため、収益化を測ることができるとも説明されています。「Ocean Protocol」の創設者であるDaryl Arnold氏はこのことを次のように説明しています。
データはいたるところに存在していますが、その大部分は現在「データ共有をめぐる摩擦」のためにロックされています。
Ocean Protocolは、安全で追跡可能なプライバシーが保護されたデータを共有および収益化するためのプラットフォームを企業に提供します。
このプラットフォームは、データ所有者がデータへのアクセスを管理できるようにし、利害関係者から質の高いデータを集めるためにインセンティブメカニズムを提供します。
Ocean Protocolは、「BMW・Ford・General Motors・Renault」などが立ち上げた「モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアチブ(MOBI)」主催の技術コンテスト「MOBI Grand Challenge」にも参加しており、トーナメント受賞者に対して10万ドル(約1,084万円)相当のトークンを提供しています。
自動車業界でブロックチェーン技術を役立てていくために積極的な取り組みを続けている「Ocean Protocol」の今後の取り組みにも注目です。
「データ共有」の動きが加速する自動車業界
ブロックチェーン技術は自動車業界で積極的に活用されていますが「自動車の製造や修理履歴などに関するデータをブロックチェーン上に記録する」といった活用法は、様々な面でコスト削減に役立ち、製造メーカー・販売店・ドライバー・中古車販売店などに大木の恩恵をもたらすことができると期待されています。
自動車に関するデータが単一のブロックチェーン上で管理されるようになれば「点検作業や保険の申請、車を売買する際の各種確認、リコール時の早急な対応」など色々なプロセスが効率化できると期待されます。
自動運転車両の開発のためにもデータ収集は求められていますが、このようなデータ共有が必要となるプロジェクトでは、その対価となる報酬を付与する形式が一般的になってきているため、将来的には自動車と一緒に仮想通貨ウォレットを所有するのも当たり前になってくるのかもしれません。
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