米Stripe:法定通貨→仮想通貨の交換をサポート「オンランプサービス」提供開始
仮想通貨オンランプサービスを提供
米国のオンライン決済サービス大手「Stripe」は2023年5月5日に、法定通貨を仮想通貨に交換するのをサポートする「オンランプサービス」の提供を開始することを発表しました。
オンランプとは法定通貨を仮想通貨に交換するプロセスのことを指します。一方、仮想通貨を法定通貨に交換するプロセスは「オフランプ」と呼ばれ、仮想通貨と法定通貨の相互交換が可能なサービスは「オン/オフランプ」とも呼ばれます。
仮想通貨やNFTなどを活用したWeb3関連サービスを提供する際には"初心者でも簡単に仮想通貨を購入できる仕組みの導入"も重要となりますが、今回のオンランプサービスによって、Web3企業は米国居住者の仮想通貨購入をより簡単にサポートできるようになると報告されています。
仮想通貨を簡単購入できる2つのオプションを提供
Stripe(ストライプ)が提供するオンランプサービスでは「埋め込み型オンランプ」と「Stripeホスト型オンランプ」という2種類のオプションが提供されます。
「埋め込み型オンランプ」を利用する場合は、自分のウェブサイトやアプリに"仮想通貨購入ウィジェット"を直接埋め込むことによって、サービス利用者に仮想通貨購入方法を提供することができます。
「Stripeホスト型オンランプ」は、Stripeがホストする「crypto.link.com」をいうサービスを経由して仮想通貨を購入する方法で、利用者はクレジットカード情報などを打ち込むことによって簡単に仮想通貨を購入できるようになっています。
Stripeはこれらのオプションについて「埋め込み型オンランプはブランディングや顧客体験を完全にカスタマイズしたいWeb3企業に役立ち、Stripeホスト型オプションはユーザーがより簡単に始められる方法を提供する」と説明しています。
なお、同サービスには本人確認手続き(KYC)やコンプライアンス要件への対応をサポートするために「不正行為防止ツール」や「本人確認機能」が内蔵されているとも説明されています。
Stripeのクリプト担当技術責任者であるGuillaume Poncin氏は、仮想通貨オンランプサービスについて次のように述べています。
Web3企業はコンバージョンや認証の最適化・本人確認・詐欺防止などといった非常に重要でありながらも厄介な部分を「Stripe」にアウトソースすることができます。
これによって企業は自社のビジネスに集中することができるようになり、顧客はWeb3サービスを迅速かつ安全に利用できるようになります。
オンランプ機能は複数のサービスで導入予定
Stripeが提供するオンランプサービスは複数のWeb3関連サービスで導入が予定されているとのことで、具体的には以下のようなサービスで利用される予定だと報告されています。
・Brave(ブレイブ)
Braveは、プライバシー重視のWebブラウザ。今後はStripeのオンランプを使用して、Brave Walletで直接仮想通貨を購入できるようになる予定。
・Safe(セーフ)
Safeは、イーサリアムとEVM上でデジタル資産を管理できるプラットフォーム。開発者はSafe{Core}SDKから直接、分散型アプリケーションにStripeのオンランプを埋め込むことができるようになる。
・1inch(ワンインチ)
1inchは、分散型取引所(DEX)のデータを集約して最適なレートを提供するDEXアグリゲーター。1inchはStripeのオンランプを統合して、ユーザーが簡単かつ迅速にウォレットに資金を追加できるようにする予定。
・Lens Protocol(レンズ・プロトコル)
Lens Protocolは、クリエイターがコンテンツを収益化できるよう支援する分散型ソーシャルプロトコル。Lensは、LensFrens上でStripeのオンランプを使用して、ユーザーがシームレスにコンテンツを収集し、Lensエコシステム内でお気に入りのWeb3クリエイターをサポートできるようにする。