Security.org「2024年版の仮想通貨市場調査レポート」公開|ETFの影響・人気銘柄など

by BITTIMES

「2024年版の仮想通貨市場調査レポート」を公開

様々な製品・サービスの調査レポートを公開している「Security.org」は2024年1月3日に、今回で4回目となる「2024年版の仮想通貨市場調査レポート」を公開しました。

今回の調査レポートは1,500人以上のアメリカ人を対象に実施された世論調査の結果をまとめたもので、以下のような調査結果が報告されています。

2023年以降に仮想通貨保有率が急上昇

仮想通貨について知っていると回答した人の数は、2021年時点では半数未満だったが、現在は80%以上の回答者が仮想通貨について詳しく知っていると回答している。

米国の仮想通貨保有率は1年前まで30%だったものの、現在はこの数字が40%にまで増加している。これは推定約9,300万人の人々が1つ以上の仮想通貨を保有している可能性があることを示唆している。

また、以前までは仮想通貨保有者の多くが男性だったものの、昨年は女性の仮想通貨保有率が大幅に上昇している。女性の仮想通貨保有率が上昇した背景には、ARK Investのキャシー・ウッド氏など仮想通貨に投資する女性への注目度が高まっていることがあるのかもしれない。

仮想通貨購入を予定する人も増加

現在は仮想通貨保有者の56%が「市場価格は2024年に上昇する」と考えている。仮想通貨を持っていない人のうち、2024年に仮想通貨を購入する意思があるのは15%で、1年前の5%から10%増加している。

【非保有者の仮想通貨購入予定:年別】

 2023年データ2024年データ
今後12ヶ月以内に必ず購入5%15%
将来的に購入を検討46%41%
絶対に購入しない49%44%

仮想通貨に詳しい保有者・非保有者は「2024年は仮想通貨価格の観点から素晴らしい年になる可能性がある」と考えている。一般的な人々の46%は「2024年にビットコインETFが承認されるとブロックチェーン業界にプラスの影響がもたらされる」と考えており、既に仮想通貨を保有している人はさらに楽観的になる可能性が高い。

現物ETF承認で仮想通貨投資が増える可能性

「ビットコイン現物ETFの承認は仮想通貨への投資意欲に影響を与えるか?」という質問に対して「投資への関心を高める」と回答したのは、非保有者の中の21%、過去に保有していた人の中の21%、現在も保有している人の中の35%だった。

一方「ETF承認は投資意欲に影響を与えない」と回答したのは、非保有者の中の74%、過去に保有していた人の中の66%、現在も保有している人の中の54%だった。

このようなことから、ビットコイン現物ETFが承認されると、非保有者の21%・現保有者の35%が仮想通貨投資の割合を増やす可能性があると予想される。

仮想通貨の新規購入者は2022年から減少傾向

「初めて仮想通貨を保有した年」に関する回答で最も多かったのは2020年(23%)、次に多かったのは2021年(20%)だったが、その後は仮想通貨市場で下落相場が続いたため、2022年以降に仮想通貨市場に参入する人の数は減少した。

2016年以前・2018年・2019年に初めて保有した人の割合は13%で、2017年に初めて保有した人の割合は10%だった。

【初めて仮想通貨を保有したのは何年か?】

初めて保有した年回答者の割合
2016年以前13%
2017年10%
2018年13%
2019年13%
2020年23%
2021年20%
2022年7%
2023年2%

2024年時点で人気の仮想通貨は?

2024年版の仮想通貨人気調査では、依然としてビットコイン(BTC)が高い人気を誇っていることが判明した。BTCの次に人気の仮想通貨はイーサリアム(ETH)で、その他には時価総額ランキング上位に位置する複数のアルトコインがランクインしている。

特に人気の仮想通貨は「DOGE・SHIB・ADA・USDC・XLM・SOL」などで、米SECとの訴訟問題でRipple社が勝訴したことを受けて「XRP」の保有者が増加したとも報告されている。

各種仮想通貨の保有者の割合を年別に示したデータは以下の通り。

仮想通貨2024年2023年2022年
BTC76%78%77%
ETH54%58%65%
DOGE26%
SHIB12%18%19%
ADA12%14%19%
USDC12%10%12%
XLM12%14%16%
SOL11%10%11%
BNB10%6%6%
XRP9%7%6%
USDT7%5%5%
AVAX5%6%5%
LUNA4%2%3%
その他9%

今後さらに投資予定の仮想通貨

既に仮想通貨を保有している回答者の中の約63%が「今後もさらに多くの仮想通貨を取得したい」と考えている。そのような人々が今後投資を計画している上位4つの仮想通貨は以下の4銘柄。

  • ビットコイン(BTC)
  • イーサリアム(ETH)
  • ドージコイン(DOGE)
  • カルダノ(ADA)

仮想通貨の投資理由と現在の損益

仮想通貨を取得した理由の中で最も多かったのは「投資ポートフォリオを分散するため」、次に多かったのは「暗号資産の技術に興味があったから」だった。

その他の理由として多かったものとしては「将来性・知人からの紹介・オンライン購入・インフレからの資産保護・政府の規制回避・プライバシー保護・手数料を抑えた国際送金・ギフトなどでもらった」などがある。

仮想通貨保有者の半数以上は収益性を高めるために仮想通貨を購入しており、現在は約45%の回答者が「仮想通貨投資で利益が得られた」と回答、その一方で30%の回答者は「仮想通貨投資で損失が出た」と回答している。

2024年における仮想通貨の懸念点

仮想通貨を保有していない人の44%は「仮想通貨は決して購入しない」と回答しているが、その主な理由は「仮想通貨価格が不安定なこと」や「政府による保護が欠如していること」だった。

価格の不安定さ懸念点として挙げた回答者は、非保有者の40%、現保有者の46%、過去保有者の46%で、非常に多くの人々が仮想通貨の大幅な価格変動に対して不安を抱いていることが示されている。

その他の懸念点としては「取引所が信頼できない・サイバー攻撃・アクセスできなくなる不安・環境への影響・取引が難しい・過剰規制や禁止」などが挙げられている。

「Security.org」が今回公開した調査レポートの全文は「こちらのページ」で確認することができます。

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