P2P取引が利用不可に?金融庁「仮想通貨取引所への不正送金対策強化」を要請
金融機関に「不正送金対策の強化」を要請
金融庁は2024年2月7日に、警察庁と連盟で全国銀行協会・全国地方銀行協会・ゆうちょ銀行などを含む以下9つの金融機関に「暗号資産取引所への不正送金対策を強化するように」と要請したことを発表しました。
【要請先】
- 一般社団法人全国銀行協会
- 一般社団法人全国地方銀行協会
- 一般社団法人第二地方銀行協会
- 一般社団法人全国信用金庫協会
- 一般社団法人全国信用組合中央協会
- 一般社団法人全国労働金庫協会
- 株式会社ゆうちょ銀行
- 農林中央金庫
- 株式会社商工組合中央金庫
今回の要請は「不正送金関連の違反行為や還付金詐欺・架空料金請求詐欺などの特殊詐欺の被害金が仮想通貨取引所に送金される事例が多発していること」を受けたもので、利用者を保護するための更なる対策を要請したと説明されています。
今回の要請は利用者保護を目的としたものですが、具体的な対策事例の中には「振込名義変更による暗号資産交換業者への送金停止等」というものが含まれているため、これによって仮想通貨取引所のP2P取引サービスなどが利用できなくなる可能性があるとも報じられています。
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不正送金対策強化の具体例
仮想通貨取引所への不正送金対策強化の具体例としては「振込名義変更による暗号資産交換業者への送金停止等」と「暗号資産交換業者への不正な送金への監視強化」の2点が挙げられており、それぞれについて以下のような説明がなされています。
振込名義変更による暗号資産交換業者への送金停止等
- 暗号資産交換業者の金融機関口座に対し、送金元口座(法人口座を含む。)の口座名義人名と異なる依頼人名で行う送金については、振込・送金取引を拒否する。
- この際、あらかじめ、ウェブページ等により利用者への周知を図る。
暗号資産交換業者への不正な送金への監視強化
- 暗号資産と法定通貨との換金ポイントとなる暗号資産交換業者との取引に係る取引モニタリングは、リスク低減措置の実効性を確保する有効な手法であることからパターン分析のためのルールやシナリオの有効性について検証・分析の上、抽出基準の改善を図るなど、暗号資産交換業者への不正な送金への監視を強化する。
P2P取引に影響が出る可能性があるのはなぜ?
P2P送金に影響を与える可能性があると言われているのは「振込名義変更による送金停止等」の部分で、「送金者と受信者の名義が異なる場合には振込・送金を拒否する」という対策がP2P取引サービスに影響を与える可能性があると伝えられています。
なお、暗号資産取引所などで提供されているP2P取引サービスでは、仮想通貨ウォレット・取引所口座・銀行口座などを利用して、法定通貨と仮想通貨の交換をより簡単に行うことができるようになっています。
警察庁の説明では「依頼人名と口座名義人の名前が異なる場合には、暗号資産交換業者への送金を停止する」という対策が説明されていますが、暗号資産取引所などで提供されているP2P取引サービスでは、送金者と受信者の名義が異なるため、対策が実施されると取引所などのP2P取引サービスが利用できなくなる可能性があるとされています。
(画像:警察庁)
仮想通貨のP2P取引サービスは主に海外取引所で提供されているサービスですが、実際に上記対策が実施された場合にはP2P市場に大きな影響が出る可能性があるとして注目が集まっています。
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