仮想通貨交換業に「楽天」が参入|みんなのビットコインを買収
楽天(Rakuten)は子会社である「楽天カード株式会社」を通じて、仮想通貨交換業者「みんなのビットコイン株式会社」の全ての株式を取得することを本日8月31日に発表しました。同社はブロックチェーン(Blockchain)技術の研究を進める上で、将来的に暗号通貨(Cryptocurrency)を使った決済の役割が大きく成長していると見込んでおり、それらのサービスをより円滑に進めることなどを目的として、今回の決定に至ったと説明しています。
こちらから読む:「楽天コイン」の開発も?Rakutenのブロックチェーンへの取り組み
みんなのビットコイン買収の理由
楽天エコシステムの拡大
「みんなのビットコイン」を買収することを決定した理由について楽天は、『楽天グループ』が提供している様々なFinTech(フィンテック)サービスにおいて、いろいろな生活の場面で幅広く利用することができるサービスの提供に努めていることを挙げており、他では見られない独自の『楽天エコシステム(経済圏)』を拡大させていることを挙げています。
同社はこの取り組みの一環として、2016年にブロックチェーン技術の研究機関である「楽天ブロックチェーン・ラボ」を英国に設立しており、"次世代の決済プラットフォーム"としてのブロックチェーン技術の研究を行ってきたと説明しています。
これらの研究を行う楽天は、『将来的にはEコマースや実店舗での決済、ピア・ツー・ピア(P2P)での決済手段として、仮想通貨による決済機能の役割が大きくなっていくと見込んでいる』と述べており、このような仮想通貨を使った支払いをより円滑に提供していくためには、仮想通貨交換所のサービスを提供することが必要であるという判断から、仮想通貨交換業への参入を検討してきたと説明しています。
顧客からの強い要望
また同グループが提供している証券会社である「楽天証券」においても、FXサービスを利用している顧客を中心に、仮想通貨関連のサービス提供を求める声が増加していたことも今回の決定に影響しているとのことです。
仮想通貨交換業者の早期登録を目指す
「みんなのビットコイン」は、2017年3月30日に仮想通貨交換所のサービスを開始しており、2017年9月7日には『仮想通貨交換業者』の登録申請を提出しています。
同交換所は現在「みなし仮想通貨交換業者」として仮想通貨の取引サービスを提供しているため、楽天は「みんなのビットコイン」が培ってきたノウハウと、楽天グループの金融事業における幅広いノウハウを合わせることによって、今後の事業体制を確立し、仮想通貨交換業者としての早期登録を目指していくことを語っています。
仮想通貨市場に参入する大手企業は2018年に入って以降、続々と増えてきています。
アメリカの大手仮想通貨取引所であるCoinbase(コインベース)は、『三菱UFJフィナンシャル・グループ』と連携して日本市場に進出することを発表しています。現時点ではそれらの企業の多くがサービス開始に向けて準備を整えている段階でもあるため、来年頃にはそれらの大手企業が提供する新しいサービスが続々と発表されることになるでしょう。