Bill Harris「ビットコイン(Bitcoin/BTC)には価値がない」
仮想通貨とデジタル通貨
ビットコイン(BTC)などの仮想通貨に対して否定的なことでも知られるPayPal(ペイパル)の元CEO Bill Harris(ビル・ハリス)氏は、CNBCの番組で「Bitcoinには価値がない」と語り、その具体的な理由や今後予想される動きなどについての詳しい解説を行いました。
#Bitcoin bulls beware. Former PayPal CEO Bill Harris calls the #crypto a cult and says it is headed straight to zero. pic.twitter.com/SQgf6pIEVk
— CNBC's Fast Money (@CNBCFastMoney) 2018年8月14日
決済サービス会社PayPal(ペイパル)の元CEOであるBill Harris(ビル・ハリス)氏は、CNBCの番組に出演した際に、ビットコインを支持する人々を"ビットコイン崇拝者"と呼び、そのような熱狂的な"信者"の考え方に対する否定的なコメントを語りました。
ハリス氏は、「ビットコイン信者たちは『送金が早く、自由で拡張性があり、効率的かつ安全で利便性も高く、世界中で受け入れられている』といった様々なメリットがあると主張しているが、それらの主張は間違っている」と説明しています。
デジタル資産の管理会社である「Personal Capital Corporation」の設立者でもあるハリス氏は、「ビットコインなどの仮想通貨よりも優れたデジタル通貨は既に存在している」と述べており、それはドル、円、ユーロなどの"デジタル化"された法定通貨だとしています。
私たちは既に"優れたデジタル通貨"を持っています。
米ドルや日本円は安定しているし、広く受け入れられており、本質的な価値も持っています。
ビットコインには『潜在的価値』がない
さらにハリス氏は、「ビットコインの価格は依然として下落する可能性が残っており、最終的には限りなくゼロに近づく」と述べています。
その理由について同氏は、仮想通貨市場の主要な通貨には『潜在的価値がない』と説明しており、現在の仮想通貨投資家たちは最終的にそのことを認識したのちに、諦めることになるためビットコインの価格は下落することになると予想しています。
同氏は「ビットコインは既存の問題に対する"新しい解決策"にはならない」と考えており、『ビットコインは迅速でスムーズな国際送金を実現する』といった"ビットコイン支持者"たちの主張は適切ではないと述べています。
ビットコインを支持する人たちの間では、
『従来のお金での取引には、長い時間と高額な手数料がかかる』
といった説明が頻繁に利用されています。しかしハリス氏は、
『ビットコインの取引でも、長い時間と高額な手数料がかかる』
ため、問題の解決にはなっていないと述べています。
さらに同氏は、「ビットコインの問題がなければ、ネットワークが高速になるほどデジタル通貨の取引はもっとシンプルになる」と説明しています。
また彼は、極端なボラティリティが特に重要な問題の一つであり、この事実だけでも「ビットコインが『決済手段』として機能しない理由になる」と説明しており「ビットコインのような価格変動の激しい通貨を『価値の保存手段』として利用するのは馬鹿げている」とも述べています。
価格上昇に必要なこと
インターネットが誕生して間もない頃の「インターネット・バブル」が崩壊したことによって「Amazon(アマゾン)」のような大企業を含む数多くの株式が大幅な下落を経験しました。しかしその数年後には現在のIT業界を代表するいくつかの企業の株価が再び回復し、最終的にGoogle、Amazon、eBayなどの大手企業が生き残る形となりました。
仮想通貨業界では、この時と同じように『将来的にはAmazonの株価のように、仮想通貨の価格もこれから急激に回復するのではないか?』という意見も見られていますが、これに対してハリス氏は、「インターネット・バブルのようなことが繰り返されると信じてはいけない」と警告しています。
ハリス氏は「価格が急激に上昇しているものの多くは、それ自体が根本的に何かの支えになっている」と述べており、価格が上昇する場合にはその価値を担保するものが必要であることを語っています。しかし同氏は、ビットコインにはそれがないとしており、「ビットコインの活用方法は"犯罪行為"以外思いつかない」と述べています。
Fintech業界で長い間キャリアを積んできたハリス氏は、仮想通貨だけに縛られるのではなく、現在の金融システムよりも優れているものを作っていくことが重要だと語っています。
Bitcoin(BTC)に対する様々な意見
これまでにも批判的なコメントを語っていたハリス氏は、「ビットコインは歴史上最大の詐欺」だとも語っています。しかしその一方では、ペイパルの共同創設者であるPeter Thiel(ピーター・ティール)氏は「ビットコインには潜在的な価値がある」という真逆のコメントを残しています。
ビットコイン(BTC)に関する意見の違いは非常に多く存在しているため、その使用方法や機能面の認識にも違いが生まれてきており、様々な議論が交わされています。ビットコインは『価値の保存手段』だという考え方が一般的になりつつあるものの、そのような使用方法は本来の思想に反しているため、間違っているという意見も出ています。
肯定的・否定的な意見に縛られることなく、いつもとは少し違った角度から発せられている意見に耳を傾ける事は、新しい考えや気付きを得るための有効な方法の一つでもあります。偏った情報だけにとらわれる事なく、広い視野で世界を観察する事も忘れずに今後の仮想通貨市場を見守っていきましょう。