ブロックチェーンで「タバコの納税印紙」を追跡・管理:フィリップモリス

by BITTIMES

タバコ業界でも最大手企業の「Philip Morris International(フィリップモリス・インターナショナル)」社は、タバコのパッケージに貼り付けられている「納税印紙」を追跡できるようにするためにパブリックブロックチェーンの導入を検討している事を明らかにしました。これによってプロセスの自動化と透明性の向上を図ることができ、2,000万ドル(約22億円)の費用を削減できると見込まれています。

こちらから読む:スタバ・ペプシなど大手企業が続々と「ブロックチェーン」関連ニュース

ブロックチェーンで「約22億円」の経費削減

アメリカ・ニューヨーク州に本社を置く「Philip Morris International(フィリップモリス・インターナショナル)」社は、「LARK(ラーク)」や「Marlboro(マールボロ)」などのタバコを販売しており、タバコ業界の中でも大手企業として知られています。

同社のアーキテクチャ・技術革新のグローバル責任者であるNitin Manoharan(ニティン・マノハラン)氏は、4月下旬にロンドンで開催されたカンファレンス「Blockchain Expo(ブロックチェーン・エキスポ)」に登壇し、タバコのパッケージに付属される「納税印紙」の追跡・管理のために"パブリックブロックチェーン"の導入を検討している事を明らかにしました。

マノハラン氏は「これまでタバコ1箱あたりの納税印紙のコストは5.5ドル(約613円)と高額になっており貼り付けも未だに手作業で行われている」と指摘しており「高解像度コピー機を用いればさらに簡単に偽造することができるため、損失額も膨大になる」と訴えています。

タバコの納税印紙(画像参照元:surety1.com)タバコの納税印紙(画像参照元:surety1.com

マノハラン氏は納税印紙の追跡のためにブロックチェーン技術を用いれば、プロセスの自動化と透明性向上により「人件費削減/詐欺的リスク軽減」が期待され、2,000万ドル(約22億円)もの経費削減が見込まれると予想しています。

「パブリックブロックチェーン」を選ぶ理由

一般的に企業が使用しているブロックチェーンは、特定の企業や当事者のみがアクセスできる「パーミッション型(許可型)」となっていますが、フィリップモリスはあえて「非中央集権」の思想に近いことで知られる一般にも公開されている「パブリックブロックチェーン」を使用することを検討しています。

マノハラン氏はこの理由について「関心のある業界の利害者全体が参加し、確実に利益を得られるようにするため」だと説明しています。

同氏は、この目標を達成するために同社が提供するパブリックブロックチェーンに参加した関係者が「価値が無い」と判断した場合には、いつでも撤退する事も可能になっていることも付け加えています。

オープンプラットフォーム「Multichain」を利用

マノハラン氏は、今回のタバコの納税印紙を追跡するプラットフォームは、イーサリアム(Ethereum/ETH)とブロックチェーン・スタートアップ企業「Coin Sciences」社によって開発された企業向けオープンプラットフォーム「Multichain」を利用すると説明しています。

また、今回の取り組みの他に5つのブロックチェーンユースケースを検討しており、どれも来年の実装を予定しているとのことです。

タバコ業界における納税印紙は税率の低い地域で仕入れ、高い地域で売るとした不正取引防止にも役立つとしこれまでオンライン取引が推進されていました。今回のブロックチェーン技術の導入が実現し利益の底上げやコスト削減が可能になれば、タバコ業界でもブロックチェーンを導入したオンライン取引がさらに普及していく事が予想されます。

ブロックチェーン大学校FLOCの画像 最速3ヵ月で技術を習得できる「ブロックチェーン大学校」はこちら

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連のある仮想通貨ニュース

大麻のDNAデータをブロックチェーン管理「製品の透明性向上」図る:TheraCann×TruTrace

大麻のDNAデータをブロックチェーン管理「製品の透明性向上」図る:TheraCann×TruTrace

【国内初】ETH・SOLの「ステーキングサービス」提供へ:SBI VCトレード

【国内初】ETH・SOLの「ステーキングサービス」提供へ:SBI VCトレード

バイナンスが支援するNFTプラットフォーム「Featured by Binance」公開

バイナンスが支援するNFTプラットフォーム「Featured by Binance」公開

Bakkt「カストディサービスの再起動」を発表|DOGE・SHIBなど6銘柄も新規サポート

Bakkt「カストディサービスの再起動」を発表|DOGE・SHIBなど6銘柄も新規サポート

節税に役立つ「不良資産化したNFTの買取サービス」開始:マネックスクリプトバンク

節税に役立つ「不良資産化したNFTの買取サービス」開始:マネックスクリプトバンク

医療保険大手「Anthem」ブロックチェーンで4,000万人のデータ管理

医療保険大手「Anthem」ブロックチェーンで4,000万人のデータ管理

注目度の高い仮想通貨ニュース

スターバックス:Web3報酬プログラム「Starbucks Odyssey」終了へ|次のステップに向けて

スターバックス:Web3報酬プログラム「Starbucks Odyssey」終了へ|次のステップに向けて

カルダノ・ステーキングETP(CASL)「スイス証券取引所」に上場

カルダノ・ステーキングETP(CASL)「スイス証券取引所」に上場

BINANCEユーザーが上場に期待する仮想通貨ランキング「AGI・BabyDoge・BONE」などが優勢

BINANCEユーザーが上場に期待する仮想通貨ランキング「AGI・BabyDoge・BONE」などが優勢

DexHunter:カルダノ分散委任ツール「Atrium」と提携|独自のステーキングバスケット提供へ

DexHunter:カルダノ分散委任ツール「Atrium」と提携|独自のステーキングバスケット提供へ

貴金属からビットコインETFにシフトする投資家が増加|ミームネーターのプレセールは好調

貴金属からビットコインETFにシフトする投資家が増加|ミームネーターのプレセールは好調

ICO分析:ミームネーター、ステージ16は5日以内に売り切れる可能性有り

ICO分析:ミームネーター、ステージ16は5日以内に売り切れる可能性有り

Dogwifhatが過去1週間で129%の上昇を記録、有望なアルトコインとしてSponge V2が浮上

Dogwifhatが過去1週間で129%の上昇を記録、有望なアルトコインとしてSponge V2が浮上

BlastUP:プレセールの人気が指数関数的に高まる

BlastUP:プレセールの人気が指数関数的に高まる

KDDI:Web3分野で「Animoca Brands」と事業連携

KDDI:Web3分野で「Animoca Brands」と事業連携

Solana基盤ミームコイン「Dogwifhat」200円まで価格高騰|Robinhood Europeで取扱開始

Solana基盤ミームコイン「Dogwifhat」200円まで価格高騰|Robinhood Europeで取扱開始

K9 Finance:Shibarium上のNFTマーケットプレイス「MANTRA」と提携

K9 Finance:Shibarium上のNFTマーケットプレイス「MANTRA」と提携

Symbol活用のNFTDriveEX「イーサリアム・ポリゴン」に対応|JPYCなど複数の仮想通貨をサポート

Symbol活用のNFTDriveEX「イーサリアム・ポリゴン」に対応|JPYCなど複数の仮想通貨をサポート

仮想通貨ニュース | 新着記事一覧

仮想通貨まとめ一覧

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

ASTRも管理できる「Polkadot{.js}」のウォレット作成方法|画像付きでわかりやすく解説

ASTRも管理できる「Polkadot{.js}」のウォレット作成方法|画像付きでわかりやすく解説

仮想通貨の確定申告で必要な「年間取引報告書」のダウンロード方法【取引所別まとめ】

仮想通貨の確定申告で必要な「年間取引報告書」のダウンロード方法【取引所別まとめ】

ソラナ基盤のDEX「Jupiter Exchange」とは?仮想通貨JUPの概要などもあわせて紹介

ソラナ基盤のDEX「Jupiter Exchange」とは?仮想通貨JUPの概要などもあわせて紹介

Shiba Inuのメタバース「Shib:The Metaverse」とは?最新情報・LAND購入方法など

Shiba Inuのメタバース「Shib:The Metaverse」とは?最新情報・LAND購入方法など

人気のタグから探す