XRP価格下落の原因はリップル社?大量売却の「中止」求める署名運動はじまる
Ripple(リップル)社が特定の企業や団体などに対して行なっている「仮想通貨エックスアールピー(XRP)の寄付」などの取り組みや「定期的なXRP売却」を問題視している人々が新たな署名運動を開始しています。「Stop Ripple dumping」と呼ばれているこの活動は「Ripple社のXRP売却中止」を求める内容となっており、現時点では2,000人以上の人々が署名を行なっています。
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Ripple社の「XRP運用」に対する批判
Ripple(リップル)社と仮想通貨エックスアールピー(XRP)の関連性については、以前から多くの議論が交わされており、一部の人々は大量にXRPを保有しているRipple社を"中央集権的である"として厳しく批判しています。
実際にRipple社は誰よりも多くのXRPを保有していますが、同社のCEOであるBrad Garlinghouse(ブラッド・ガーリングハウス)氏は以前から「これらのXRPをエコシステム全体のために長期的に投資していく」という意思を語っており、エコシステムの発展に寄与する団体や大学などに寄付・投資を行なっているほか、定期的に一定量のXRPを市場に放出しています。
最近ではリップル社の投資部門である「Xpring(スプリング)」が、XRPを活用したブラウザ内支払処理を手掛けるスタートアップ企業「Coil(コイル)」に"10億XRP(約280億円相当)"の助成金を与えたことが報告されていますが、一部のXRP保有者はこの行動に対して違和感を覚えています。
XRP価格下落の原因はリップル社?
XRPの価格は下落傾向が続いており、今月15日には一時的に「1XRP=26円」まで下落しました。このような下落に対しては「Ripple社による"XRP売却"が影響している」との意見が多数出ており、仮想通貨ヘッジファンド「Multicoin Capital」の共同設立者であるKyle Samani氏は、ブルームバーグとのインタビューで『Ripple社のXRP売上高の増加がデジタル資産を弱気トレンドに導いた』と語ったと報告されています。
また、仮想通貨業界で人気のプロトレーダーであるPeter Brandt(ピーター・ブラント)氏は『XRPの価格は0.2ドル(約21円)まで下落する』と語っており、自身の経験と分析に基づいて『Ripple社がXRPを売り続けることによって、XRPの価格は今後もさらに下がる可能性がある』と予測しています
ブラント氏は一連のツイートで、Ripple社がXRP市場最大のクジラであり、XRPの売却・寄付によって価格をコントロールしていることを理由に「Ripple社はXRPの市場価格を"操作している"」とも語っています。
売却中止求める署名活動「2,000人以上」が参加
オンライン署名収集および届け出を行なっている「change.org」では、"Ripple社のXRP売却中止"を求める著名運動が行われています。「Stop Ripple dumping」というタイトルが付けられたこの署名活動では「Ripple社が数十億ものXRPを市場に投入し、価格を引き下げている」という主張がなされています。
この運動の発信者は『XRPは大きな可能性を秘めた信頼できる仮想通貨である』と主張しているものの、"価格下落を止めるためにはリップル社が売却をやめる必要がある"と主張しており『そのためには10,000の署名が必要である』と説明しています。
さらに説明文の最後では『Ripple社が売却をやめた場合には、高い需要の影響によってXRP価格は自然と過去最高値以上に押し戻される可能性が高まる』とされています。
記事執筆時点では「合計2,254人」がこの運動に著名していますが「10,000人の著名が集まった際に具体的に何が行われるか?」などに関する説明がなされていないことなどを指摘する意見も見られています。
リップル社の取り組みは良い?悪い?
仮想通貨業界では「コイン・ネットワークが分散化されているか?」という点が特に重要視されているため、"一部の企業が大量に特定の仮想通貨を保有している"という状況はあまり良い評価を受けていません。
しかしながら、突然全ての仮想通貨を市場に放出した場合には、別の企業や団体などに買い占められてしまい、結果的に中央集権的になってしまう可能性もあるため「信頼できる複数の組織などに段階を追って仮想通貨を投資していく」という方法は合理的であるとも考えられます。
また、Ripple社が投資を行なっている企業や団体などは、実際に"XRPを活用したソリューション"を開発している企業や将来の技術者を育成するための取り組みを行なっている大学などであるため、多くのXRP投資家はこれらの活動を受け入れています。
しかしこのまま価格下落が続くのであれば、XRPに投資している人々は損失を出し続けることになってしまうため、価格が回復するまではこのような批判は続くことになると予想されます。価格の上下でプロジェクト全ての良し悪しが決定されるわけではありませんが、投資家の批判を暖和するためには、これまでにRipple社が支援を行なってきた企業・団体の取り組みが目に見える成果を出し、実際にXRP価格も上昇するようなタイミングが必要であると考えられます。
「Stop Ripple dumping」の進捗状況は以下のリンクから確認することができます。
>>「Stop Ripple dumping」の詳細はこちら
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2019年8月26日|エックスアールピー(XRP)の価格
エックスアールピー(XRP)の価格は6月末に53円付近まで回復したものの、その後は下落傾向が続いており、2019年8月26日時点では「1XRP=28.63円」で取引されています。
2019年5月28日〜2019年8月26日 XRPのチャート(引用:coingecko.com)
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