2020年、現金取引制限で仮想通貨「需要増加」の可能性:マレーシア
マレーシアで2020年から現金取引の上限が「25,000RM(約66万円)」に設定される可能性があることが現地メディア「The Star」の報道で明らかになりました。一部では、この制限が設けられることによって仮想通貨の需要が高まる可能性があると言われています。
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現金取引制限で「仮想通貨需要」が増加?
マレーシア政府はマネーロンダリング(資金洗浄)などの違法行為に対処するために、2020年から「25,000RM(約66万円)の現金取引上限」を課すことを計画していますが、一部では「この上限設定がビットコイン(BTC)などといった仮想通貨の需要を高める可能性がある」と予想されています。
マレーシアの経済学者であるBarjoyai Bardai氏は「現金取引に上限が設けられることによってデジタル通貨の採用が促進される可能性がある」と述べており、「消費者がデジタル通貨に慣れてくるとビジネスでの取引が増加し、取引量という形で経済にプラスの影響を与える可能性がある」と説明しています。
現金の使用が制限されれば、その他デジタル通貨での取引量が増加することになるため、仮想通貨も同様に取引量が増加する可能性があります。しかしその一方では「現在提案されている新しい政策は一般的なマレーシア人に影響を与えるほどのものではないため、その影響も限定的なものになるだろう」といった意見も出ています。
「金融機関は適用対象外」影響は限定的との声も
提案されている現金取引制限は「医療・観光・ホテル・卸売業者」などの業界に影響を与えるものの、銀行はすでにアンチマネーロンダリング(資金洗浄防止)の規制を満たしているため、金融機関を経由する取引に新しい制限は適用されないと報告されています。
また、マレーシアの一般家庭の収入の中央値は22万円ほどとなっており、提案されている上限をはるかに下回っているため、その3ヶ月分に相当する66万円の上限はあまり影響を与えないとも考えられています。
現金の支払いに上限を設定する取り組みはオーストラリアでも計画されており、同国では1万豪ドル(75万円)の上限が検討されています。マレーシアとオーストラリアで提案されている内容では、仮想通貨に関する明確な言及はなされておらず、この上限が与える影響に関しては意見が分かれていますが、これらの政策の行方には以前から注目が集まっています。