ロシア:政府職員に「暗号資産の保有状況報告」を義務付け
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「ロシアの政府職員に暗号資産(仮想通貨)の保有状況を報告することを義務付ける法令」に署名したことが同国のメディア「TASS」の報道で明らかになりました。これによってロシアの政府職員は、自分自身や家族が所有しているデジタル資産の詳細情報を報告することが求められるようになりました。
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公務員に「デジタル資産保有情報の報告」義務付け
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が署名した法令は、ロシアの仮想通貨関連法である「デジタル金融資産法」に関連する措置を規定したものであり、この法令の中では"ロシアの政府職員は仮想通貨を保有していることや、その数量などの詳細情報を報告しなければならない"ということが記されています。
具体的には現職の公務員や公務員志望者に報告が義務付けられており、これに該当する人物は自分だけでなく配偶者や子供が所有している「仮想通貨・デジタル証券・ユーティリティトークン」などデジタル資産も含めて2021年1月1日〜2021年6月30日までの期間中に報告する必要があるとされています。
ロシアでは、新たな法律によって2021年1月から仮想通貨が「財産」として認められることになっており、今回新たに規定された法令は政府関係者の汚職行為などを防止するための財産報告基準を補完するためのものとなっています。
また、仮想通貨が財産として認められたことによって税務申告の条件も変わることになっており、ロシアの全ての個人・企業は仮想通貨などのデジタル資産取引量が600,000ルーブル(約85万円)を超える場合には、デジタル資産の保有状況を報告することが義務付けられています。
デジタル資産取引の報告が適切に行われなかった場合には、罰金または最大3年の懲役が課せられることになっており、報告が遅れた場合の罰金は50,000ルーブル(約7万円)、報告が全くなかった場合には全取引金額の10%が罰金として課せられることになると伝えられています。
これらの新しい法律によって、ロシアにおける仮想通貨取引はより厳しく規制されることになりますが、仮想通貨業界の関係者からは『適切な規制が導入されることによって仮想通貨エコシステムにプラスの効果がもたらされる』といった声も出ています。