ロシア中銀:中央銀行デジタル通貨「デジタルルーブル」の発行可能性を調査

by BITTIMES

ロシア連邦中央銀行(ロシア銀行)は2020年10月14日に、同国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)にあたる「デジタルルーブル」の発行可能性を調査していることを明らかにしました。ロシア銀行は今回「デジタルルーブルの協議書」を公開しており、その機能・目的・メリットなどを説明しながら一般や専門家からの意見を求めています。

こちらから読む:自民党、CBDC導入に向けた"法改正準備"求める「CBDC」関連ニュース

ロシア中銀「デジタルルーブル」発行の可能性を評価

ロシア連邦中央銀行(ロシア銀行)は2020年10月14日に公開したレポートの中で『デジタル金融技術が普及して現金以外のお金が日常生活でより多く使用されるようになるにつれて、現代社会では最新技術を用いて決済速度・利便性・安全性を高めることが求められている』と述べており、ロシア銀行がそのようなニーズに応えるために中央銀行デジタル通貨(CBDC)である「デジタルルーブル」を発行する可能性と展望を評価していることを報告しています。

ロシア銀行は「デジタルルーブル」について『既存の形式のルーブルに加えて新たに発行されるロシアの通貨のデジタル版である』と述べており、『ロシア市民はデジタルルーブルを電子ウォレットに入れておくことによって、オンラインとオフラインの両方で使用することができる』と説明しています。

デジタルルーブルは「市民・企業・金融市場参加者・州」などといった全ての経済主体が利用できる通貨として発行されることが想定されており、現金と同じように「決済手段・価値の尺度・価値の保存」というお金に必要とされる3つの機能を全て備えると説明されています。

現金などと同様に使用できる「新しい通貨」

具体的な使用用途としては「商品やサービスの購入・組織や州への支払い・送金・金融商品やデジタル金融との取引」などが挙げられており、「現金との交換」や「銀行口座への入金」なども自由に行うことができるとされています。

デジタルルーブルは現金と同じように様々なサービスで使用することができるようになっているものの、ロシア銀行は『デジタルルーブルは現金に置き換わるものではなく、現金などの支払い手段に"追加"される1つのものである』ということを強調しています。

プライバシー面に関しては、ロシア銀行のプラットフォームで本人確認手続き(KYC)を実行した上でデジタルルーブルを使用することになるため、デジタルルーブルを匿名で使用することはできないと伝えられています。ただし、全ての情報が中央銀行に筒抜けになるわけではなく、『取引に参加した者が誰かという情報は分かるものの、取引の目的にはアクセスできない』と報告されています。

「デジタルルーブル発行のメリット」について

デジタルルーブルを発行することによって可能になることや、デジタルルーブルのメリットとしては以下のようなことが挙げられています。

  • 支払いをより迅速・簡単・安全にすることができる
  • 送金コストを削減することができる
  • 金融機関同士の競争力を高めることによってイノベーションが促進され、デジタル経済の発展につながる
  • 個々のプロバイダーへの依存を減らすことによって、国の金融システムの安定性が高まる
  • 金融インフラが整っていない地域などで「新しい便利な決済手段」となる可能性がある
  • 金融サービスの提供可能範囲が広がることによって、最終的に人々の生活の質が向上する
  • 汚職などといったお金の不正利用防止につながる

一般や専門家からの意見も募集

ロシア銀行は『デジタルルーブルを発行することを決定してはいない』と述べているものの、『このプロジェクトの重要な側面・利点・起こりうるリスク・段階・タイミングなどについて、金融分野・専門家コミュニティ・全ての利害関係者と話し合うことが重要であると考えている』とも説明しており、一般や専門家からの意見を求めています。

デジタルルーブルの具体的な開発スケジュールや発行時期などについては言及されていないものの、国民や専門家から寄せられたフィードバックは最終的なデジタルルーブルの試験運用などに活用されると伝えられています。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関しては、ほとんどの中央銀行が『現時点では発行することを決定していない』と説明しているものの、多くの中銀は発行を視野に入れた調査・研究に取り組んでおり、日本銀行も2021年度の早い段階で「デジタル円」の概念実証を開始する計画を明らかにしています。

>>「ロシア銀行」の公式発表はこちら
>>「デジタルルーブル」の詳細はこちら

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