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MetaMask:RPCプロバイダー「Infura」使用時にはユーザー情報を収集(追記あり)
イーサリアム(ETH)を専門に扱うブロックチェーン関連企業「ConsenSys(コンセンシス)」は2022年11月23日に、同社が提供する「MetaMask」や「Infura」に関連する内容を含んだプライバシーポリシーを更新したことを発表しました。更新された内容の中では『メタマスクのRPCプロバイダーとしてInfuraを使用している場合には、トランザクション送信時にIPアドレスとウォレットアドレスを収集する』ということも記載されています。
(2022年11月27日追記:ConsenSysは2022年11月24日にプライバシーポリシー更新について複数の誤解があることを説明、当メディアにも"今回の更新で特に重要な10項目"について補足説明する連絡がありましたので、記事の内容を追記しました)
こちらから読む:ビットポイント、シバイヌ(SHIB)取扱いへ「暗号資産」関連ニュース
ConsenSysがプライバシーポリシーを更新
ConsenSys(コンセンシス)は2022年11月23日に、同社が提供する「MetaMask」や「Infura」に関連する内容を含んだプライバシーポリシーを更新したことを発表しました。
ConsenSysはイーサリアム(ETH)を専門に扱うブロックチェーンソフトウェア技術企業であり、人気の暗号資産ウォレットである「MetaMask(メタマスク)」や、イーサリアムノードやエンドポイントなどのデータをAPIなどで提供する「Infura」など、複数の製品を提供しています。
同社のプライバシーポリシーページには、同社製品・サービスを利用する際に収集される個人情報などについての詳しい説明が行われていますが、今回の更新では『MetaMaskのRPCプロバイダーとしてInfuraを使用している場合には、トランザクション送信時にIPアドレスとウォレットアドレスを収集する』という内容が追加されているとして注目が集まっています。
MetaMask(メタマスク)でブロックチェーンネットワークを追加する際には、ネットワーク上にある他のコンピュータのプログラムを呼び出して実行させるための技術である「RPC(Remote Procedure Call)」のURLを入力する必要がありますが、MetaMaskではデフォルトRPCプロバイダーとして「Infura」が使用されているため、多くのユーザーがこの情報収集の対象になると予想されます。
なお、更新されたプライバシーポリシーには『サードパーティのRPCプロバイダーを使用している場合は、InfuraもMetaMaskもIPアドレスやウォレットアドレスを収集しない』とも記載されているため、一部ユーザーの間ではRPC URLの設定を変更する動きも見られています。
お客様がMetaMaskのデフォルトRPCプロバイダーとしてInfuraを使用する際にInfuraが収集する情報。
MetaMaskとInfuraはいずれも当社が提供する製品であり、InfuraはMetaMaskのデフォルトのRemote Procedure Call(RPC)プロバイダーです。お客様がMetaMaskのデフォルトRPCプロバイダーとしてInfuraを使用する場合、Infuraはお客様がトランザクションを送信する際にお客様のIPアドレスとイーサリアムウォレットアドレスを収集します。
ただし、お客様がご自身のイーサリアムノードまたはサードパーティのRPCプロバイダーをMetaMaskで使用している場合、InfuraおよびMetaMaskはお客様のIPアドレスやイーサリアムウォレットアドレスを収集しません(ただし、お客様が使用しているRPCプロバイダーの情報収集およびその収集に関する条件に従うことをご了承ください)。
MetaMaskの「RPC URL」変更方法について
MetaMaskの「RPC URL」を変更したい場合は、MetaMaskのネットワーク追加画面に移動して、新しいネットワークを手動で追加する画面に移動し、ネットワークの情報入力画面で「RPC URL」の欄に自分が利用したいRPC URLを入力することによって、好きなRPCプロバイダーを指定することができます。
MetaMaskのネットワーク追加時に使用するRPCプロバイダーを指定することが可能
なお、イーサリアムRPCプロバイダーの一覧は「Ethereum RPC URL List」などのキーワードで検索することによって見つけることができますが、別のRPCプロバイダーでも同様にユーザー情報が収集される可能性もあるため、個人情報の収集を避けたい場合はプロバイダー選びで注意が必要です。
追記:ポリシー更新に関する誤解について説明
(2022年11月27日追記)
ConsenSysは2022年11月24日に「同社のプライバシポリシー更新について補足説明する記事」を公開し、ユーザーデータ取得に関する誤解などについて説明を行いました。
同社は今回のポリシー更新について『このポリシー変更はより踏み込んだデータ収集やデータ処理に繋がるものではなく、規制変更や問い合わせに対応するために行われたものでもない』と説明しており、当メディアに寄せられたメッセージの中では「特に重要な項目」として以下の10点が強調されています。
- MetaMaskはIPアドレスを収集しない。MetaMaskウォレットはConsenSysによって開発されたソフトウェア製品。ConsenSysはMetaMaskを操作しておらず、MetaMaskはユーザが自分のデバイスで操作する。
- MetaMaskは、取引に必要な情報のみをRPCプロバイダにルーティングする。デフォルトでは、InfuraというRPCプロバイダにルーティングされる。(InfuraもConsenSysが開発)
- MetaMaskのような暗号資産ウォレットからのリクエストを処理するために、Infuraはリクエストを送信するデバイスのIPアドレスとブロックチェーンアドレスを知る必要がある。ブロックチェーンアドレスはリクエストの一部であるため必要。IPアドレスはレスポンスを要求者にルーティングするために必要。
- Infuraはプライバシーポリシーの「個人情報の使用」セクションに記載されている制限に従ってこの情報を保持する。Infuraがこの情報を不適切に利用することはなく、コンセンシスは一部のWeb2企業のようにこの情報をマネタイズすることもない。
- Web3エコシステムの進化が遅い理由の一つは、Web2のような侵略的なマーケティングやユーザー維持のテクニックを使わないことにある。Web2企業はユーザー情報を積極的かつ侵略的に利用する製品を作成している。ConsenSysを含めたWeb3業界の多くは、エンドユーザーに力を与え、保護する製品を作成しており、最も高い原則の問題としてエンドユーザーを搾取することはない。
- Web3ユーザーは「MetaMaskで自分の選んだRPCプロバイダを使用する」「自分のブロックチェーンノードを立ち上げてMetaMaskで使用する」などを自由に選択できる。知識ある多くのユーザーはすでにこれを実行している。これは分散型プロトコルの美点であり、Web3をWeb2と区別する中心的な特徴だ。
- Infuraは、匿名化技術やあらゆるデータの収集・保持の最小化・排除など、個人情報の収集を最小限に抑えるための技術的ソリューションを追求している。
- また、ソフトウェア開発者やエンドユーザーのプラットフォームリスクをさらに軽減するために、Infura社の分散化にも取り組んでいる。
- ConsenSysは、ユーザーがインターネット製品やサービスから不適切に搾取されないようにするために設立された。
- ConsenSysは常に、最大限の分散化と最小限のプラットフォーム・リスクを可能にする方法で、ユーザーがその製品を使用できるようにする。
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