ビットコイン「第4回目の半減期」完了|価格への影響や仕組みをわかりやすく解説
ビットコイン「ブロック高:840,000」に到達
ビットコイン(BTC)は日本時間2024年4月20日午前9時9分頃に、第4回目の半減期を迎えた。
半減期とは、仮想通貨のマイニングで得られる報酬額が半分になるタイミングのことであり、ビットコインは約4年周期で半減期が訪れる仕組みになっている。
第4回目となる2024年のビットコイン半減期のタイミングは「ブロック高:840,000」となっているが、本日20日の午前9時9分頃には正式にこのブロック高に到達したことが報告されている。
今のところビットコイン価格に大きな変化は見られておらず、記事執筆時点のBTC価格は63,445ドル(約981万円)となっている。
ビットコインのブロック高が840,000に到達(画像:blockchair.com)
2024年4月19日〜20日 BTC/USDの5分足チャート(画像:TradingView)
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BTCのマイニング報酬額は「3.125 BTC」に
以前までのマイニング報酬は「1ブロックあたり6.25 BTC」だったが、今回の半減期到来によってこの報酬額は「1ブロックあたり3.125 BTC」まで減少することになった。
マイニングとは、ビットコインのトランザクション(取引)を検証・承認して、ブロックチェーンに記録する作業のことを指す。
この作業にはマイニングマシンなどの装置や電気代などがかかるため、マイニングを行うマイナーと呼ばれる人々は、新たに発行される「マイニング報酬」と、BTC利用者が取引時に支払う「マイニング手数料」を報酬として受け取ることができる。
半減期はこの「マイニング報酬」が半分になるタイミングのことであり、ビットコイン価格やマイナーへの影響が強いことから、仮想通貨業界で特に重要視されるイベントの1つとなっている。
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なぜ半減期でBTC価格が上がるのか?
ビットコインの半減期で特に注目されるのが「ビットコイン価格への影響」だ。仮想通貨業界では『半減期の影響でビットコイン価格が上がる』という意見を頻繁に目にする。
半減期でビットコイン価格が上がると言われる理由は「BTC供給量が減少して、ビットコインの希少価値が高まること」にある。
BTCの半減期では、新しく発行されるBTCの枚数が半分になるが、ビットコインの需要を下げるような要素は基本的にないため、「一定の需要をキープした状態で供給量が下がることによって、供給が需要に追いつかずに価格が上昇する」という仕組みになっている。
「お米の生産量が突然半分になったことによって売り切れが続出し、結果的にお米の価格が高騰した」と考えるとわかりやすいかもしれない。
なお、半減期による価格上昇予想は「半減期後もビットコインの需要が維持されていること」を前提としたものであり、何らかの理由でビットコインの需要が激減した場合には、半減後でも価格が下落する可能性があるため注意が必要だ。
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半減期がマイナーの行動に与える影響
半減期は、ビットコインマイナーの行動にも影響を与える可能性がある。これはやや複雑な話になるものの、マイナーはビットコインを支える重要な存在であるため、半減期がマイナーに与える影響を知っておくことも重要だ。
マイナーは電気代や設備代などの費用を支払えるだけのマイニング報酬を得る必要があるが、半減期でマイニングの利益が下がった場合、一部のマイナーはマイニングを止める可能性がある。
状況が悪化するとマイナーが保有するビットコインを大量売却して価格が下落し、悪循環に陥る可能性もあるものの、これに関しては意見が分かれていて、『マイニング報酬の半減によってマイナーによる売り圧が低下する』という意見もある。
なお「マイニング報酬の半減+BTC価格下落」で多くのマイナーがマイニングを止めた場合には、BTCネットワーク自体が一時的に不安定になる可能性があると考えられるが、仮に大半のマイナーが撤退した場合には、マイニングの難易度が低下して低コストでマイニングできるようになるため、再びマイナーが戻ってくると期待される。
これらのことを総合的に考えると、半減期後にはBTCネットワークを安定維持してマイナーに適切な報酬が支払われるようにするために「ビットコイン価格の上昇」や「マイニング手数料の上昇」が起きる可能性が高いと予想される。
BTC保有者にとって価格上昇は嬉しいことだが、マイニング手数料が上昇した場合には取引のタイミングなどで注意したいところだ。
2024年の半減期が特に期待・注目される理由
ビットコインの半減期は毎回注目される重要イベントの1つだが、2024年の半減期は「これまでの半減期とは根本的に違う」として特に注目・期待されている。
これは2024年に米国や香港で現物ビットコインETFの取引が開始されたためであり、「半減期でビットコインの供給量が減少する一方で、現物ETFで需要が大幅に増加している」と指摘する意見が数多く出ている。
また、最近ではマイクロストラテジー・エルサルバドル・メタプラネットなど「巨額のビットコイン投資戦略」を導入する事例も増えてきているため、このような動きもビットコインの需給関係に大きな影響を与えると考えられる。
現物ビットコインETFでは数百〜数千億円規模の資金流入報告が続いていて、エルサルバドルは「毎日1BTC購入戦略」を実施、マイクロストラテジーからも「1,000億円相当以上のBTC購入報告」が続いているため、この数ヶ月間でビットコインに巨額の資産が投じられていることがわかる。
ビットコインの価格高騰が本格的に始まった場合には、FOMO(取り残されることへの不安)から個人投資家なども参加する可能性があると予想されるため、今回の半減期に伴う「需要増&供給減」のインパクトは非常に大きなものになる可能性があると注目されている。
ただし、最近では緊迫化する国際情勢の影響でビットコイン価格が急落する場面も見られており、価格高騰後には大規模な暴落が起きることも通例となっているため、高値掴みなどには注意が必要だ。
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