テレグラム創業者逮捕の裏側|パベル・ドゥーロフ氏が「初の声明」を投稿
フランス当局による対応と逮捕の背景
メッセンジャーアプリ「テレグラム」のCEOであるパベル・ドゥーロフ氏は2024年9月5日に、フランスでの逮捕に対して初の声明を発表しました。
パベル・ドゥーロフ氏はパリに到着した後、4日間にわたって警察からの取り調べを受けていたとのことで、フランス当局から「Telegramからの回答が得られなかったため、他のテレグラム利用者の不正利用について、パベル・ドゥーロフ氏自身が責任を問われる可能性がある」と伝えられたと報告しています。
しかし同氏はそのような当局の対応を非難しており、以下3つの理由から当局の主張に驚いたと語っています。
- TelegramにはEU内における正式な代表者が存在し、EUからの要請を受け付けて返信している。そのメールアドレスは、EU内で「Telegram EU address for law enforcement」とGoogle検索するだけで誰でも入手できる。
- フランス当局にはドゥーロフ氏に連絡して助けを求める方法がいくつもあった。ドゥーロフ氏はフランス市民であり、ドバイのフランス領事館にも頻繁に訪れていた。過去には、テロの脅威に対処するためにフランスでTelegramとのホットラインを設立する際に協力したこともある。
- ある国がインターネットサービスに不満を持った場合に行われる通常の方法はそのサービス自体に対して法的措置を取ることである。スマホ誕生前の法律を使って、第三者がプラットフォーム上で犯した犯罪についてCEOを訴追するのは誤ったアプローチだ。技術開発はそれだけでも難しいことであり、もしもツールの悪用で個人が責任を問われることになると知っていれば、どんな革新者も新しいツールを作り出すことはないはずだ。
フランス当局は、テレグラムを通じた違法コンテンツの拡散や犯罪の温床となっているという懸念から、同社に対して具体的な対応を求めていました。しかし、ドゥーロフ氏はこれに対して「当局との連携不足」を指摘し、テレグラムは法的要求に応じてきたと説明しています。
同氏の逮捕は、法執行機関が「テレグラムがプラットフォームを適切に管理していない」と見なしたためであり、この点が両者間の摩擦を引き起こしたとみられています。
ドゥーロフ氏は過去にも、プライバシー保護と政府からの圧力とのバランスを強調してきました。特にロシアやイランでの同様の対立が報道されており、今回のフランス当局との摩擦もまた、プラットフォームのグローバルな規制対応の課題の一つとなっています。
これに対して、同氏はユーザーのプライバシー保護が最優先であることを強調し、規制当局の過剰な介入には強く反対する立場を取っています。
ドゥーロフ氏に対する複数の容疑
各国政府との今後の展望
テレグラムはプライバシーと自由を重視する姿勢から、政府機関との対立が絶えない一方で、世界中でユーザー数の増加が続いています。
今後、フランス政府との関係は緊張が続くのではと予想されていますが、ドゥーロフ氏はこの問題を通じて、規制当局と協力する余地があるとし、適切な対話を促す姿勢を示しています。
同社はこれまでも、ユーザーの権利を守るために法執行機関との折衝を重ねてきましたが、他国の規制にも引き続き対応していく必要があります。
特にEU圏内でのデータ保護規制やコンテンツ管理の強化が求められる中、テレグラムは今後の事業展開において、各国の規制にどう適応していくかが注目されます。
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Souce:パベル・ドゥーロフ氏声明
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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