ブロックチェーンを用いた「電力取引プラットフォーム」商用化へ:みんな電力
東京・世田谷区に本社を構え、再生可能エネルギーを中心とした電力の販売を行っている「みんな電力」は、2019年4月にブロックチェーン技術を用いた「電力取引プラットフォーム」を商用化すると伝えられています。このプラットフォームを使用することによって、消費者は自分の電気がどこから供給されたものなのかを確認することができるようになります。
こちらから読む:供給された電力の起源を証明できる「ブロックチェーン」の仕組み
再生可能エネルギーの起源を証明
東京・世田谷区に本社を構える「みんな電力」は、2019年4月にブロックチェーン技術を用いた「電力取引プラットフォーム」を商用化すると伝えられています。同社は2011年に設立 されて以降、約2,000件の法人契約を結んでおり、約100箇所の再生可能エネルギー発電所の電力を販売しています。
「ENECTION2.0(エネクション2.0)」と呼ばれるこのプラットフォームは、ブロックチェーン技術を取り入れることによって、P2P(ピア・ツー・ピア)の電力取引を実現しており、エネルギーの消費者が「どの電源からどれだけ電気を購入したか」を証明できることを大きな特徴としています。
ブロックチェーンで電力の取引を記録・管理することによって、より正確で低コストな電力のトレーサビリティーを実現しており、再生可能エネルギーの重要性が増す現代にこのプラットフォームを導入することによって、供給するエネルギーが再生可能エネルギーであることを証明したいと考える企業での利用を促すことを目的としています。
「RE100」の加盟企業など向けにサービスを展開
みんな電力はすでにTBSホールディングスや丸井グループなどをはじめとする、合計6社を引受先とする第三者割当増資で11億8000万円を調達しており、これらの資金を立ち上げ費用に当てて商用化の準備を進めることを計画していると伝えられています。
みんな電力は昨年9月から丸井グループなどと協力して実証実験を開始しており、プラットフォームの信頼性を検証してきました。今後は、自社で使用する電力の「100%」を再生可能エネルギーで補うことを目指している国際的な企業連合「RE100(Renewable Energy 100%)」に加盟する企業などにサービスを展開していく予定だと伝えられています。
再生可能エネルギーの起源証明にブロックチェーン技術を取り入れる動きは世界中で進んでおり、スペインの再生可能エネルギー事業者であるACCIONA Energy(アクシオナ・エナジー)や、ブロックチェーン企業「ConsenSys(コンセンシス)」が運営する電力配電システム「Grid+(グリッド・プラス)」などもブロックチェーン技術を活用した電力供給システムを提供しています。
「みんな電力」が提供する電力取引プラットフォームが日本で実際に利用されることによって、ブロックチェーン技術はより身近なものになっていくことでしょう。
電力とブロックチェーンに関するその他の記事はこちら