ブロックチェーン証明書の「発行・管理システム」で特許出願:LasTrust株式会社
暗号化技術を用いて紙の証明書をデジタル化する技術の開発に取り組んでいる「LasTrust株式会社」は、2019年12月16日に自社で開発を進めているブロックチェーン証明書発行システム「CloudCerts」と、管理アプリ「Skill Wallet」に関する特許を出願したことを発表しました。
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「CloudCerts」ブロックチェーン証明書発行システム
ブロックチェーン証明書発行システム「CloudCerts」(画像:lastrust.io)
LasTrust株式会社は、現在一般的に使用されている紙ベースの証明書をデジタル化し、改ざん防止・コスト削減・利便性の向上を図ることができる"ブロックチェーン証明書"の発行システム「CloudCerts(クラウドサーツ)」を2019年8月にリリースし、教育機関・地方自治体・資格提供団体・金融機関などにサービスを提供しています。
これまでの証明書は基本的に"紙"を媒体として保存されており、デジタル化して保存している場合でも中央サーバーで集中管理されているケースがほとんどであったため、紛失・データ改ざん・機密情報漏洩などのリスクに晒されており、運用コストが高いなどの問題が潜んでいました。
今回特許が出願された「CloudCerts」はこのような問題に対処することができるように設計されており、ユーザーの任意情報の真正性をブロックチェーン技術を用いて暗号化・記録することによって、誰もが手軽に任意情報の真偽を検証できるようになっています。
発明の名称は「真正担保システム・担保バッジ・担保バッジ表示システム・真正担保システムのプログラム・担保バッジ表示システムのプログラム」だとされています。
「Skill Wallet」ブロックチェーン証明書管理システム
ブロックチェーン証明書管理システム「Skill Wallet」(画像:lastrust.io)
「CloudCerts」のシステムを用いて発行された"ブロックチェーン証明書"は「Openbadges規格準拠のデジタルバッジ」として表示することができるようになっており、今回の発表ではこれらのバッジとして発行された証明書を管理するためのシステムである「Skill Wallet(スキル・ウォレット)」の特許も出願されています。
「Skill Wallet」は2020年初に公開される予定となっており、LasTrust株式会社は現在「教育機関・eラーニング事業者・資格提供団体」を対象として、履修履歴・学位・資格のデジタル化に取り組む企業・団体との協業を進めています。
データ改ざんを防止し、安全かつ利便性の高い方法で証明書を保管することができる"ブロックチェーン証明書"はすでに海外の教育機関などでも取り入れられ始めているため、今後は日本国内でも幅広く活用されていくことが予想されます。