開発者の関わり方が「仮想通貨価格」にも影響か|複数銘柄のリターンに一定の相関性
大学の研究者らによって作成された「コードから市場へ:開発者ネットワークと相関する仮想通貨リターン」という題名の論文では『"仮想通貨の開発に携わった開発者"と"仮想通貨価格"には深い関わりがある』という調査結果が報告されています。
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開発者が重なる仮想通貨の価格に「一定の相関性」
「コードから市場へ:開発者ネットワークと相関する仮想通貨リターン」という論文を作成した複数の研究者たちは、ソフトウェア開発で広く利用されているプラットフォーム「Github(ギットハブ)」上にソースコードが公開されている仮想通貨プロジェクトの中から一定数以上の出来高がある仮想通貨約300通貨を調査した上で『2つの独立した仮想通貨が同一の開発者によってリンクされた場合、仮想通貨のリターンにも相関性が見られる』という結果を導き出しています。
研究者たちの報告によると、現在Github上には1,600種類以上の仮想通貨コードが保存されているものの、それらの開発に携わっている開発者の約4%は複数の仮想通貨プロジェクトに関わりをもっているとのことで、そのような複数のプロジェクトに携わる開発者たちは平均よりも活発に開発を行っており、開発全体の10%に貢献しているとされています。
今回のレポートでは、このような"共通の開発者"を持つ仮想通貨の価格に一定の相関性が見られたことが報告されています。
(画像:From code to market: Network of developers and correlated returns of cryptocurrencies)
各種仮想通貨プロジェクトのつながり
論文内では「実際にはどのような仮想通貨プロジェクトが開発者を共有しているか」に関するデータも掲載されており、少なくとも1つ以上の仮想通貨プロジェクトとリンクされた仮想通貨は124種類あったと報告されています。
最も中心となっている仮想通貨プロジェクトは、時価総額ランキングでもTOPをキープし続けているビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)であり、その他の仮想通貨プロジェクトでも様々なつながりがあることが報告されています。
少なくとも1つ以上の仮想通貨とリンクされた124の仮想通貨プロジェクト(画像:From code to market: Network of developers and correlated returns of cryptocurrencies)
研究者たちは"開発者ネットワークと仮想通貨価格に相関性がある理由"について『1人の開発者が複数の仮想通貨プロジェクトに関わった場合には、それら複数の仮想通貨プロジェクトで類似点を多く共有することになるためではないか』との見解を示しており、このような研究結果は「仮想通貨市場を分析する研究者・投資家・規制当局」などにとっても興味深いものだろうと述べています。
仮想通貨市場の動きを分析する手法は既に多数存在していますが「開発者の関わりが値動きに関係する」という考え方は、市場を分析する上での1つの方法として役立てることができるとも考えられます。
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