ビットコイン流通量の60%は「長期投資目的」残りの40%は?=Chainalysis調査報告
暗号資産取引の調査・分析を行なっている「Chainalysis(チェイナリシス)」は、2020年6月18日に現在既に発行されているビットコイン(Bitcoin/BTC)の保有目的や保有状況などのデータをまとめたレポートを公開しました。このレポートでは、すでにマイニングされている「約1,860万BTC」のうちの約60%は長期投資目的で保有されていると報告されています。
トレード目的の保有は「流通量の19%」
暗号資産取引の調査・追跡を行なっている「Chainalysis(チェイナリシス)」は2020年6月18日に、"マイニングによって既に発行されているビットコイン(BTC)がどのように使用されているか"などのデータをまとめたレポートを公開しました。同社の報告によると、2020年6月時点で発行済みのビットコインは約1,860万BTCほどあるとのことで、今回のレポートではこれらのBTCを3つのカテゴリーに分類されています。
マイニング済みのビットコインは「約1,860万BTC」とされていますが、そのうちの約60%にあたる1,140万BTCは個人や企業などによって「長期投資」のために保有されていると報告されています。約20%にあたる370万BTCは5年以上動かされていない「失われたビットコイン」だとされており、約19%にあたる350万BTCが「トレードに使われているビットコイン」だとされています。
Chainalysisはこのデータについて『ビットコインの大部分が"BTCはデジタルゴールドだ"と信じている人々によって保有されていることを示している』と述べていますが、それと同時に『しかし、このデジタルゴールドは"頻繁に売買したい"と考えている人々の取引市場に支えられており、トレードに使用されている350万BTCが価格を決定している』とも指摘しています。
このように語る同社は、半減期を迎えて希少価値が高まっているビットコインに人々が集まった場合には「長期投資目的のBTC」または「5年以上動かされていないが送金可能なBTC」から「トレード目的のBTC」へとビットコインが流れることが重要になると考えられるものの、そのような動きは"ビットコイン価格が長期投資家が売りたいと思うレベルまで上昇した場合"にしか起こらないだろうと予想しています。
BTCの大半は「規制環境下の暗号資産関連企業」が保有
今回のレポートでは「失われていないビットコイン」の約60%は認可された暗号資産の保管サービスやマネロン・テロ資金対策のための政府間機関"FATF"の監視下にある「仮想資産サービスプロバイダー(VASP)」によって保有されているということも報告されています。
「暗号資産取引所」や「ウォレットサービス」などの大半はこの「仮想資産サービスプロバイダー(VASP)」に分類されるとのことで、"VASPが保有するビットコインの数は2010年頃から着実に増加し続けている"ということも報告されています。
以下の画像はそれらのデータをグラフ化したものであり、赤は「VASPが保有するビットコイン」、オレンジは「VASP以外が保有するビットコイン」、ピンクは「失われたビットコイン」を示しています。
大量のBTCを保有する「暗号資産取引所」
Chainalysisはこれらのデータをさらに掘り下げた上で、
・BINANCE(バイナンス)
・Huobi(フォビ)
・Conbase(コインベース)
・Bitfinex(ビットフィネックス)
などといった主要な暗号資産取引所が特に多くのビットコインを保有していることも報告しています。
これら4つの取引所は合計約40%を支配しており、これら4社を除いたTOP10の取引所が約35%を占めていると報告されています。
Bitfinex(ビットフィネックス)が占める割合は徐々に低下してきているものの、「BINANCE・Huobi・Coinbase」は順調にその規模を拡大してきているため、今後はさらに成長することになると予想されます。
Chainalysis(チェイナリシス)が公開したレポートにはこの他にも複数のデータが掲載されているため、より詳しい情報を確認したい方は以下の公式発表ページをご覧ください。
>>「Chainalysis」のレポートはこちら
2020年6月20日|ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格
ビットコイン(BTC)の価格は今月2日に110万円付近まで回復したものの、その後はやや下落しており、2020年6月20日時点では「1BTC=993,818円」で取引されています。