BitMEX:Blockstream社の「ビットコイン衛星システム」をテスト
暗号資産取引所「BitMEX(ビットメックス)」は2020年9月14日に、世界有数のブロックチェーンインフラ開発企業「Blockstream(ブロックストリーム)」が開発したビットコイン(Bitcoin/BTC)のブロックチェーンを衛星経由でダウンロードして検証するシステムである「ビットコイン衛星システム」のテストを行なったことを発表しました。
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Blockstream社の「ビットコイン衛星システム」とは?
Blockstream(ブロックストリーム)社が開発した「ビットコイン衛星システム」は、ビットコイン(BTC)のブロックチェーンを衛星経由でダウンロードして検証するシステムであり、インターネットを経由することなく衛星経由でビットコインのデータを入手してノードになることができる技術となっています。
このシステムを使用すると、衛星通信を使用してビットコインブロックチェーンのデータをダウンロードすることができるため、「国家によるインターネットの監視、インターネットの遮断、停電、自然災害によるインフラ機能不全」などいった様々な問題に直面した場合にもビットコインブロックチェーンの同期を継続して、ビットコインの取引を行うことができると期待されています。
BitMEXは今回この「ビットコイン衛星システム」を利用するために必要な機材を実際に購入してセットアップを行った上で、環境構築にかかった費用や労力、衛星システムが持つ可能性などについての結果報告を行なっており、『私たちはかなり迅速にシステムをセットアップすることができた。衛星接続にはほとんどの場合、ノードをビットコインの先端に保つのに十分な帯域幅がある』と述べています。
Blockstream Satellite Pro Kit Box(画像:BitMEX)
「実用性は低いが前向きな進展である」と評価
BitMEX(ビットメックス)の発表によると、人工衛星と接続するために必要となるアンテナなどのデバイスには合計1,200ドル(約125,000円)の費用がかかったものの、システムのセットアップは数時間ほどで完了したと報告されています。
また技術的な機能性に関しては『インターネット経由で接続する一般的なノードと比較すると数ブロックほど遅れることはあったが、基本的にはチェーンの先端を維持することができた』とも報告されています。
ビットメックスは今回のテストを実施した結果として『ビットコイン愛好家がシステムのインストールと実行を楽しいと思う可能性は高いが、ほとんどのユーザーにとって実用的なものになる可能性は低い』と結論付けているものの、衛星基盤のシステムがインターネット検閲の厳しい地域で役立つことや標的としたノードをネットワークから隔離する攻撃である「Eclipse Attack」を防御できる可能性があることなどを評価しており、『ビットコイン衛星システムは前向きな進展である』と称賛しています。
私たちはインターネット接続を必要とせずに衛星経由でビットコインのブロックチェーンをダウンロードして検証することができる「 Blockstream Bitcoin Satellite system(Blockstreamビットコイン衛星システム)」をインストールしました。システムはかなり迅速にセットアップすることができ、衛星接続にはほとんどの場合、ノードをビットコインの先端に保つのに十分な帯域幅がありました。
私たちは『システムのインストールと実行作業は多くのビットコイン愛好家にとって楽しい作業である可能性が高いものの、ほとんどのユーザーにとって実用的なものになる可能性は低い』と結論付けましたが、この衛星基盤のシステムはビットコインネットワークの検閲抵抗性を改善し、特定の形態の「Eclipse Attack」を防御する可能性があるため、その存在はおそらく前向きな進展であると考えています。
人工衛星を活用した仮想通貨関連のプロジェクトは既に多数立ち上げられており、実際にプロジェクトが進んでいることも報告されているため、今後もこのようなプロジェクトの動向には注目です。