国際決済銀行:中央銀行デジタル通貨(CBDC)の概念実証「2020年末まで」に実施へ
国際決済銀行(BIS)イノベーション・ハブの責任者であるBenoit Coeure(ブノワ・クーレ)氏が、スイス国立銀行(SNB)と協力して中央銀行デジタル通貨(CBDC)の概念実証を2020年末までに実施する計画を明かしたことが「The Paper」の報道で明らかになりました。
こちらから読む:ロシア中銀、2021年末までにテスト実施の可能性「CBDC」関連ニュース
年末までに「リテール型CBDCの概念実証」を実施
"中央銀行の中央銀行"とも呼ばれるスイス・バーゼルに本部を構える中央銀行をメンバーとする組織「国際決済銀行(BIS)」は、スイスの中央銀行である「スイス国立銀行(SNB)」などをはじめとする世界各国の中央銀行と中央銀行デジタル通貨(CBDC)のテストを実施することを計画していると伝えられています。
中国のニュースメディア「The Paper」の報道によると、国際決済銀行イノベーション・ハブの責任者であるBenoit Coeure(ブノワ・クーレ)氏は先日開かれた「外灘金融サミット」の中で『BISは2020年末までに概念実証のためのCBDCを共同発行する予定である』と語ったと報じられています。
スイス国立銀行と国際決済銀行は昨年10月に、銀行や企業間での決済に使用する「ホールセール決済向けデジタル通貨」の研究を行うことを発表していましたが、今回のテストでは個人間決済に使用する「リテール決済向けCBDC」の概念実証が実施されると報告されています。
2020年末までに実施されるCBDCの概念実証は「スイス国立銀行(SNB)」との協力で実施されるものの、将来的には「香港金融管理局(HKMA)」や「タイ銀行」をはじめとする世界各国の中央銀行と協力して中央銀行デジタル通貨のテストが実施される予定だとされています。
なお「BISイノベーションハブ」は既にシンガポール・スイス・香港で実験を行なっており、今後はドイツ・フランス・イギリス・スウェーデン・カナダなどにも範囲を拡大することを計画していると伝えられています。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)は中国が特に積極的にテストを進めていましたが、最近ではEU・ロシア・韓国・日本などでもCBDC関連の取り組みが活発化してきており、今月20日にはバハマ中央銀行が同国のCBDCである「Sand Dollars(サンドドル)」を正式にリリースしています。
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