ゲーム産業のブロックチェーン技術採用「遅かれ早かれ現実に」BINANCE CEO
仮想通貨取引所BINANCE(バイナンス)のCEOであるジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao/CZ)氏は、これからブロックチェーン技術の採用が進む中で「ゲーム業界」は特に重要な産業の一つであると考えていることを語りました。そのことを裏付けるかのように、ここ最近ではこれらの技術を活用する動きが強まっています。
こちらから読む:ゲーム業界に変革をもたらす可能性を秘めた「ブロックチェーン」とは
ゲームは「トークン化されるべき」Changpeng Zhao
世界最大級の仮想通貨取引所BINANCE(バイナンス)のCEOであるジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao/CZ)氏は、2019年1月28日に投稿したツイートで「ゲームはいずれ"トークン化"が進むことになる産業の一つだ」との考えを語りました。
この投稿は、スチーム(STEEM)のブロックチェーン技術を用いたカードバトルゲーム「SteemMonsters」が、カードパックの購入方法としてバイナンスコイン(Binance Coin/BNB)の支払いを受け入れたことを発表したツイートへの返信として投稿されています。
Gaming is a not-so-small industry yet to be tokenized. Fast or slow, it will happen. and @binance is here to help in the process. Thanks to @SteemMonsters! #UseBNB https://t.co/Pa0Lnj2pO0
— CZ Binance (@cz_binance) 2019年1月29日
ゲームはトークン化されるべき重要な産業です。遅かれ早かれトークン化が進められることになるでしょう。そしてBINANCEはそのプロセスの手助けを行うために存在しています。
SteemMonstersに感謝します。
ブロックチェーン活用のメリットとは?
ジャオ・チャンポン氏は、ゲーム業界がブロックチェーン技術の導入対象として過小評価されていることを指摘しています。ゲームへの「ブロックチェーン技術・仮想通貨」の統合は、以前から多くの人々が期待していたものの一つであり、仮想通貨を稼ぐことができるゲームは現在でも人気を集めています。
仮想通貨で「価値のある報酬」が現実に
ゲームにブロックチェーン技術を活用する際に最も期待されていることの一つは、実際に価値を得ることができる「仮想通貨での報酬システム」です。これまでのゲームで使用されていた通貨は、対象となるゲームでしか使用することができませんでしたが、仮想通貨がゲーム内で利用できるようになったことによって、ゲームをプレイして獲得したコインを仮想通貨取引所などを通じて現金に交換することができるようになってきています。
2019年1月時点では、それほど多くのゲームは開発されていませんが、仮想通貨が利用できるゲームは現在も世界中で開発が進められているため、今後はさらに多くのゲームが登場することが予想されます。
「ゲーム用仮想通貨」の開発に取り組む少年も
仮想通貨なら「複数のゲームで使用可能」
今回「SteemMonsters」で採用されたバイナンスコイン(BNB)のように、複数の場面で使用できる仮想通貨の採用が進めば、"異なるメーカーのゲーム"の間でも通貨を使い回すことができるようになります。
従来のゲームでは、飽きてしまったゲームのコインを使用することはできませんでしたが、仮想通貨であれば次のゲームにコインを移動することが可能になります。これを実現するためには、各企業が同じ仮想通貨を採用している必要がありますが、すでに大手ゲーム開発企業では「ブロックチェーンゲーム」の基準を定めるための同盟なども立ち上げられているため、ゲーム内通貨として広く使用される仮想通貨の基準も近い将来に統一されていく可能性があります。
ブロックチェーンゲーム同盟に関する記事はこちら
ゲーム販売事業者に対する「報酬の計算を合理化」
ブロックチェーン技術は、ゲーム開発者や販売者側にも恩恵をもたらしています。家庭用ゲーム機「Xbox」シリーズを製造しているMicrosoft(マイクロソフト)は、Xboxプラットフォームでゲームなどのコンテンツを販売している事業者に支払う報酬の計算にブロックチェーン技術を活用しています。
ブロックチェーン技術を採用していない場合には、販売元がゲームの売り上げを確認するまでに、およそ45日ほどの期間が必要となっていましたが、ブロックチェーン技術を活用することによってこの時間を大幅に短縮することができるとされています。
Microsoftのブロックチェーン活用事例はこちら
仮想通貨・ブロックチェーンを導入する大手企業
仮想通貨やブロックチェーン技術をゲームに活用する取り組みは、すでに複数の大手企業で進められています。
「仮想通貨報酬システム」を展開|GMOインターネット
仮想通貨取引所「GMOコイン」を運営しているGMOインターネットは、ゲームアプリに仮想通貨報酬システムを実装することができる「CryptoChips(クリプトチップス)」と呼ばれるシステムを開発しています。
このシステムは、先日もリアルタイムサッカーシミュレーションRPG『キャプテン翼ZERO~決めろ!ミラクルシュート~』に実装されることが発表されており、2019年3月に予定されているイベント期間中は、ユーザーに対して報酬として仮想通貨ビットコイン(Bitcoin/BTC)が支払われる予定となっています。
GMOインターネットの「仮想通貨報酬システム」はこちら
分散型アプリケーション(DApps)開発に注力|TRON
仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトとして急速な成長を遂げているトロン(TRON/TRX)は、ブロックチェーン技術をベースとしたアプリケーションである「分散型アプリケーション(DApps)」の開発促進に力を入れています。
TRONのブロックチェーン上で開発されているDAppsは特にゲームの分野で高い人気を誇っており、
・ギャンブル
・育成
・バトル
・RPG
などといった幅広いジャンルのゲームがリリースされています。これらのゲームでは仮想通貨「TRX」が使用されているため、集めた仮想通貨は仮想通貨取引所で換金することができます。
TRONのDAppsに関する記事はこちら
ブロックチェーン技術活用に意欲|SQUARE ENIX
「ファイナル・ファンタジー」や「ドラゴンクエスト」などの人気ゲームを開発していることで知られる「SQUARE ENIX(スクウェア・エニックス)」の松田洋介社長もブロックチェーン技術の活用に高い関心を示していることを語っています。
同氏は2019年の初めに公開された新年の挨拶の中で、デジタルコンテンツの分野にブロックチェーン技術を応用していくことに関心を持っていることを明かしており『今後は"このような流れにどのように向き合っていくのか"が成長のための大きな論点になると考えている』と述べています。
仮想通貨市場のバブルが終わり、今後はブロックチェーンや仮想通貨の「実用化」が重要な課題になると言われている現代社会において、ゲーム業界でのブロックチェーン技術活用は、今後の需要拡大に大きな影響をもたらす可能性があります。
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