エルサルバドル「ビットコイン債の発行延期」を決定|遅くとも9月に発行予定
エルサルバドル政府が発行を予定していたビットコイン(BTC)を担保とする債権「ボルケーノ債(ビットコイン債)」の発行が延期されたことが「ロイター」の報道で明らかになりました。延期後の具体的な発行時期は明らかにされていないものの、遅くとも9月には発行される予定だと報じられています。
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国際情勢を考慮して「発行延期」を決定
エルサルバドルの財務大臣であるAlejandro Zelaya(アレハンドロ・ゼラヤ)氏は今月半ば頃に地元のテレビ局に対して『ボルケーノ債(ビットコイン債)は2022年3月15日〜20日頃にリリースされる可能性がある』と語っていましたが、このボルケーノ債の発行は延期されることになったと報告されています。
ボルケーノ債(ビットコイン債)とは、昨年11月にエルサルバドルで発表されたビットコイン建ての債権であり、発表当時の計画では「10億ドル(約1,200億円)相当の10年債を発行して、エルサルバドル国内の暗号資産推進特区"ビットコイン・シティ"の建設費用やインフラ開発・ビットコインの追加購入などに充てられる予定であることが説明されていました。
ロイターの報道によると、アレハンドロ・ゼラヤ財務相は先日行われた地元テレビ局とのインタビューの中で「ボルケーノ債の発行延期」を発表したとのことで、ロシアとウクライナの情勢などによって仮想通貨価格が下落し、市場が不安定になっていることが遅延の理由として挙げられています。
理想は2022年上半期、遅くとも9月には発行予定
延期後の具体的な発行日時は現時点で決定されていないものの、理想的な発行時期は「2022年上半期」とされており、9月以降になれば資金調達が難しくなるため、遅くとも9月には発行される予定であるとも報じられています。
理想的な発行時期は2022年前半ですが、今は債権を発行する時期ではありません。5月または6月の市場の変数は少し異なっているでしょう。遅くとも9月です。9月以降に国際市場に出ることになれば、資金調達は困難になります。
アレハンドロ・ゼラヤ財務相は今月半ば時点で「ビットコイン債発行の準備はほぼ整っている」ということを語っていましたが、それと同時に『ウクライナの戦争は予想外だった』とも語っており、国際情勢の影響によってビットコイン債の発行時期が延期される可能性があることを説明していました。
なお、エルサルバドルの「ボルケーノ債」は年率6.5%の10年債となっており、1口あたり100ドルから購入可能、5年間のロックアップ期間があるものの、この期間にビットコイン価格が上昇した場合には利益の50%が債権購入される仕組みになっていると報告されています。
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