仮想通貨取引にかかる税金を減らす「7つの節税方法」
仮想通貨取引で得た利益は一般的に「雑所得」に区分されるため、その年の利益に応じて5%〜45%の税金を支払う必要があり、住民税を合わせると15%〜55%の税金を支払う必要があります。
日本の高い税率は仮想通貨投資家にとって悩みの種となっていますが、税金を減らすための対策をしっかりを行なっておけば、支払う税金を減らせる可能性があります。
この記事では、仮想通貨の節税に役立つ可能性のある複数の方法をいくつかご紹介します。
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経費計上で課税所得を減らす
仮想通貨では、仮想通貨の売却などで直接必要になった費用を経費として計上することができるため、そのような経費を計上することによって課税所得を減らして、支払う税金を減らせる可能性があります。
具体的には以下のようなものが経費として認められる可能性があると報告されているため、これらの費用をしっかりと記録して、経費であることを証明できるようにしておけば、節税につながる可能性があります(*1)。
(*1)経費だと判断するための明確な指標はないため、それぞれの費用が経費であることをしっかりと証明できるようにしておく必要があります
- 仮想通貨取引に関する各種手数料
- 暗号資産の勉強のための書籍代・セミナー代
- 暗号資産取引関連のコンサルティング費用
- 暗号資産を保管するためのウォレット
- 暗号資産取引専用のパソコン・スマホ
- マイニングマシンの購入費用
- 自動取引システムの購入費用
- 仮想通貨関連の知識を得るための購入費用
ただし、マイニング専用のPC設備などは金額が10万円以上の場合は減価償却費として複数の年度にわたって経費として計上され、一括で経費計上はできないことになるとされているため注意が必要です。
なお、これらの経費が必ず経費計上できるとは限らず、その後改訂によって経費計上できる範囲が限られている可能性もあるため、実際に経費計上する場合には、政府の発表を確認したり、税理士などと相談することが重要です。
年間所得を20万円以下に抑える
仮想通貨取引では、1年間に20万円以上の利益が発生した場合に所得税がかかるため、1年間の利益を20万円以下に抑えれば所得税がかからないことになります。
例えば、年末時点で100万円の含み益が出ていたとしても、その中の一部だけを売却して年間利益を20万円以下に抑えれば、その年は所得税を支払わなくて済むことになります(※年間利益が20万円以下でも住民税はかかります)。
価格変動なども考慮すると売却時期を翌年に遅らせることによって利益が少なくなってしまう可能性もありますが、利益が数十万円程度である場合には、この仕組みをうまく活用することによって所得税を支払うことなく仮想通貨を売却できる可能性があります。
日本では仮想通貨取引の損益計算を自動で行うことができる「クリプタクト」などのサービスも提供されているため、そのようなサービスを利用して、含み損益を意識しながら売買してみるのも良いでしょう。
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仮想通貨同士の損益通算を利用する
雑所得は他の所得と相殺することはできませんが「仮想通貨で発生した利益」と「別の仮想通貨で発生した損失」は相殺することができるため、仮想通貨同士の損益通算で節税するという方法があります。
仮想通貨の損益通算は"年内の取引"に限定されており、損失を翌年に繰り越すことはできないため注意が必要ですが、この仕組みも知っておくことによって節税で役立つ可能性があります。
例えば「100万円の利益が出ている仮想通貨」と「90万円の損失が出ている仮想通貨」を持っていた場合には、売却方法によって税金面で違いが出てきます。
これら2つの仮想通貨を年内で利益確定した場合には「100万円-90万円=10万円」の利益となり所得税はかかりませんが、100万円の利益が出ている仮想通貨だけを売却した場合には「100万円の利益」で所得税がかかります。
損益通算を行う場合には確定申告で損益を正確に計算して報告する必要がありますが、損益通算をうまく利用すれば、仮想通貨取引で支払う税金を減らせる可能性があります。
売却困難なNFTの買取サービスも
売却・使用せずに保有し続ける
これは節税方法とは少し違いますが、仮想通貨を売却せずに保有し続ければ税金がかかることはありません。
仮想通貨を購入して価格上昇で含み益が発生していたとしても、その仮想通貨を売却して利益が確定しない限りは課税対象とはならないため、単に仮想通貨を購入し続けているだけの場合は税金がかかりません。
しかし、その後どこかのタイミングで売却した場合にはその時に税金がかかることになり、仮想通貨決済や仮想通貨同士の交換などで使用した場合にも課税対象となるため注意が必要です。
また、特定の仮想通貨を保有し続けていたとしても、ステーキングやエアドロップなどで新たな仮想通貨を取得した場合には、新たに取得した仮想通貨が課税対象となる可能性があるため、こちらも注意しましょう。
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ふるさと納税などを利用する
仮想通貨取引で利益が出ていた場合でも「ふるさと納税」などの各種税控除を利用すれば、その分だけ所得税を減らすことができます。
ふるさと納税とは、自分の好きな自治体(都道府県や市区町村)を選んで寄付することによって住民税や所得税が控除される仕組みであり、寄付した人は自治体がそれぞれで用意している返礼品を受け取ることができるようになっています。
この仕組みは仮想通貨取引で利益が出ている場合でも利用できるため、うまく活用すれば支払う税金を大幅に減らしながら、返礼品も受け取ることができます。
個人事業主として開業して青色申告を適用
個人事業主として開業して「青色申告」を利用すれば、65万円の一律控除を受けることができます。
ただし、青色申告を利用して65万円の控除を受けるためには、暗号資産の利益を「雑所得」ではなく「事業所得」として計上する必要があり、暗号資産の利益を「事業所得」とするためには以下のような条件を満たしている必要があります。
- 事業として暗号資産の投資を行っている
- 暗号資産の利益が生計の主軸となるものである
- 反復・継続的に事業を行っている
- その他
会社員などが個人事業主として開業した場合、暗号資産の利益は事業所得として認められにくいと言われていますが、事業所得として認められた場合には「他の所得との損益通算ができる・損失3年繰越可能」などのメリットがあるとされています。
法人化して節税する
仮想通貨の節税で最も効率的な方法としては「法人を設立して取引を行うことによって税率を下げる」という方法が挙げられます。
これは法人税の税率が所得税よりも低いためであり、住民税もあわせた個人の最大税率が55%であるのに対して、法人では最大約34%にまで税率を下げることができるようになっています。
法人化する場合には「法人設立費用の支払い・複雑な財務処理・面倒な各種手続き・法人の維持費用」などのデメリットも発生しますが、仮想通貨関連の利益が大きい場合には法人化を検討してみると良いかもしれません。
法人化のメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- 最大税率が所得税よりも低い
- 他事業との損益通算が可能
- 次年度以降への繰越控除が可能
- 経費計上の幅が広がる
- 給与所得控除を利用できる
- 所得を分散できる
- 退職金の支払いが可能
なお、日本では「Cryptact」や「COINTAX」などのサービスも提供されているため、これらのサービスを利用すれば、暗号資産の損益計算や確定申告の作業を簡素化することもできます。