ブロックチェーンで「金の価値」さらに高まる|デジタル市場、最良の資産は貴金属
金(ゴールド)や銀(シルバー)など貴金属関連の資産運用を行っている会社「Sprott(スプロット)」社のCEOであるPeter Grosskopf(ピーター・グロスコフ)氏は、海外の金融メディア「Kitco News(キトコ・ニュース)」に対して『貴金属はデジタル市場において最良の資産となりえるものであり、ブロックチェーン技術を活用すれば金の価値はさらに高まる』と語りました。
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「デジタルゴールド」が持つ大きな利点
貴金属などの資産運用を行う「Sprott(スプロット)」社のCEOであるPeter Grosskopf(ピーター・グロスコフ)氏は、2019年4月30日からアメリカ・ニューヨーク州で開催された鉱山業界のカンファレンス「Mine and Money conference」に出席しました。
カンファレンスの中で金融メディア「Kitco News(キトコ・ニュース)」のインタビューに応じたグロスコフ氏は「金の未来はデジタル化にある」と説明し、Sprott社が現在「従来の貴金属取引とブロックチェーン技術を融合させた新規事業」に着手しているということを明かしました。
同氏は、ブロックチェーンでデジタル化された金(デジタルゴールド)は基本的には「耐久性/携帯性/代替性」といった点でビットコイン(BTC)と酷似しているものの、セキュリティ面では特に大きな利点を発揮することができると説明しています。
デジタルゴールドは物理的な金属によって価値が裏付けられており、ブロックチェーンの分散型台帳で追跡ことも出来るため金をハッキングする事はできません。
金×ブロックチェーン=未来の決済手段
グロスコフ氏は、金は日常的な支払い手段として利用されるには基準が不十分であるため、一般の消費者に受け入れられる事は無いだろうとも語っています。しかし同氏は「ブロックチェーン技術でデジタル化することによって金は"紙幣に替わる存在"になる」と考えており、そのためにはより幅広い場面で実際にデジタル化された金(デジタルゴールド)が使用されていく必要があると主張しています。
これはブロックチェーン上で金をデジタル化する事によって、金融口座間で素早く低コストなやり取りが出来るようになり、気軽に購入することもできるため、決済手段として今までより日常的に使われるようになるという考えに基づいています。
グロスコフ氏のこれらの強気な発言の背景には、他の経済市場において損失が発生した場合に投資家らはリスクヘッジ資産として金を選び、貴金属市場への参入者が増えるだろうとした思惑があります。ブロックチェーン技術を用いて早い段階から金をデジタル化しておけば、実際にその他の市場で大規模な損失が見られた際などに投資家の人々に幅広い投資機会を提供することができます。
ブロックチェーン技術が誕生したことによって現在は、株や金など従来の投資商品のデジタル化する企業も現れてきています。これらのデジタル化された商品はこれまでよりも気軽に投資することができるものとなっているため、今後は投資家も増加していく可能性があると考えられます。