資金洗浄対策に関する6つの改正法が成立|暗号資産送金の監視体制も強化
2022年12月2日に開かれた参院本会議で、資金洗浄(マネーロンダリング)の対策強化を盛り込んだ6つ改正法が与党などの賛成多数で可決・成立したことが「日本経済新聞」の報道で明らかになりました。
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仮想通貨送金時の顧客情報共有などを義務付け
2022年12月2日に開かれた参院本会議で、資金洗浄(マネーロンダリング)の対策強化を盛り込んだ6つ改正法が与党などの賛成多数で可決・成立したことが「日本経済新聞」の報道で明らかになりました。
これにより「犯罪収益移転防止法・国際テロリスト財産凍結法・外為法・テロ資金提供処罰法・組織犯罪処罰法・麻薬特例法」といったマネーロンダリング関連の法律が一括改正されたとのことで、暗号資産関連の監視体制も強化されることになると報告されています。
犯罪収益移転防止法の改正では、FATF(金融活動作業部会)が提唱する資金洗浄防止などのための国際的な送金ルール「トラベルルール」の対象に暗号資産が加えられることとなり、暗号資産交換業者が顧客から預かった暗号資産を別の業者に送信する際には氏名・住所などの顧客情報を合わせて共有することが義務付けられることになります。
暗号資産交換業者がこのルールに違反した場合は行政指導や是正命令が出されることになり、従わなかった場合は刑事罰の対象となるため、これらの法改正によって「国内の暗号資産取引所から暗号資産を外部に送信する際には自分の氏名や住所などの情報が合わせて共有されることになり、もしも疑わしい取引が発覚した場合にはそれらの情報で個人が特定される」ということになります。
なお、これらの法改正については以前から報告されており、過去の報道では「2023年5月の施行を目指して準備が進められている」と報じられていました。
暗号資産に関連する資金洗浄・テロ資金供与・脱税・未申告・申告漏れなどは国際的な問題となっていたため、現在は暗号資産の取引情報を世界各国で共有できるようにするための準備が進められています。