仮想通貨の種類や目的を理解するための基本的な分類|初級編
仮想通貨に関する知識を効率よく学ぶためには、それぞれの目的や具体的な使用方法を理解することが重要です。この記事では全体の大まかなイメージを掴むための用途別にみた基本的な3つの分類について初心者でもわかるように簡単な言葉で紹介しています。
仮想通貨の基本的な3つの分類
仮想通貨には様々な種類が存在しますが、各通貨の主な目的には多くの違いがあります。
一つ一つの仮想通貨ごとに複数の利用方法や目的あるため、実際のところは正式な分類はされていません。しかし大まかな利用目的に注目して分類すると、次の3種類に分けることができます。
- 支払い型
- 送金型
- プラットフォーム型
仮想通貨について理解するためには、まず初めにこの3つの分類を理解することが重要です。
もちろんこの分類においても複数の項目に当てはまる仮想通貨も存在しますが、これらの3つが仮想通貨の基本的な種類として存在することを理解しておきましょう。
支払い型|実用性の高い一般的な仮想通貨
最も分かりやすいのが『支払い型』の仮想通貨です。
『支払い型』の仮想通貨は、一般的なお金と同じように日常生活の支払い方法として利用できます。
厳密に言えばほとんどの仮想通貨が"何かしらの支払い"に利用されますが、ここでの『支払い』はコンビニや飲食店などで行う普段の買い物での支払いを指しています。
支払い型の仮想通貨に対応しているお店であれば、買い物をするときに日本円や電子マネーの代わりとして支払いに利用することができます。最も代表的なのものがビットコイン(BTC)であり、現在ではかなりの数のお店がビットコイン決済に対応しています。
日本の大手仮想通貨取引所bitFlyer(ビットフライヤー)は、数多くの店舗でビットコイン決済サービスを提供しており、今年の3月末にはユーザー数が200万人を超えています。
日本でビットコイン決済の普及に取り組むbitFlyer
しかしビットコインは支払いにかかる時間や手数料などの問題が以前から指摘されており、1BTCの価格が100万円に近いほど高額でもあるため、小額の支払いに利用するには不便でもありました。
このようなことなどから、最近では通貨の価格が比較的安く送金時間なども改善されているビットコインキャッシュ(BCH)での支払いも増えてきています。
ネム(XEM)などの仮想通貨は、実用性も考慮されているため1XEMあたりの価格も一般的な金額を維持しています。2018年6月時点のネムの価格は25〜30円となっています。
これらの仮想通貨以外でも支払うことができる店舗も複数存在していますが、特に代表的な『支払い用の仮想通貨』としては次のようなものが挙げられます。
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ライトコイン(LTC)
- ネム(XEM)
送金型|遠くの人との取引を快適に
『送金型』の仮想通貨は、銀行口座からの送金や国際的な銀行間での送金などで利用されます。
一般の店舗での支払いに利用できないことはありませんが、本来はそのような支払い手段としての利用を目的に作られたものではないため、一般的なお店で使用することはありません。
仮想通貨は24時間365日いつでも送金することができるため、さらに送金に掛かる手数料を抑え、送金時間を短縮することに重点を置くことで、従来は"長い時間"と"高い手数料"が必要だった国際的な送金をより快適に行うための手段として利用されるものがこれらの『送金型』の仮想通貨です。
代表的な通貨がリップル(XRP)であり、すでに世界中で多くの大手金融機関や企業などが活用しており、実証実験なども行われていることも話題となっているため、現在も導入が加速しています。
モネロ(XMR)やダッシュ(DASH)、ジーキャッシュ(ZEC)などの仮想通貨はリップルとは違います。
これらの通貨は『匿名での送金』に焦点を当てているものであり、匿名通貨とも呼ばれています。
しかし匿名性を利用してマネーロンダリング(資金洗浄)などのような犯罪にも利用されることがあることなどから、日本政府は匿名通貨に対しては厳しい姿勢を取っています。
- リップル(XRP)
- モネロ(XMR)
- ダッシュ(DASH)
- ジーキャッシュ(ZEC)
国際送金に利用されているリップルの解説はこちら
プラットフォーム型|幅広い可能性を秘めた重要な存在
『プラットフォーム型』の仮想通貨は、様々な分野や物事に活用し新しいサービスを生み出すことができるため、大きな可能性を秘めています。
"プラットフォーム"という言葉によって"難しそう"と感じてしまう人も多いですが、『プラットフォーム』とは『基盤・土台』という意味であることを覚えておけば簡単に理解することができます。
つまりこれは、新しい仮想通貨やシステムなどをより簡単に作るための『土台となる仮想通貨』となります。
さらに分かりやすく例えるならば、『野菜の栽培キット』のような存在です。
野菜の栽培キットは簡単に野菜や果物を育てるために必要な材料がセットになって提供されているため、農業の知識がなくても簡単に野菜の栽培を始めることができ、その後の努力次第では大きな実をつけることもできます。
プラットフォーム型の仮想通貨もこれと同じで、新しい仮想通貨やアプリなどを作るための土台となる材料を提供しています。
これらの"プラットフォーム"を利用すれば、1から全てを準備することなく世界中で利用されている信頼のある技術を活用することができるため、比較的簡単に仮想通貨やブロックチェーンの技術を使用することができます。
最も代表的なものとして挙げられるイーサリアム(ETH)は世界中で活用されており、現存する仮想通貨の多くがイーサリアムの土台の上に成り立っています。
『支払い型』でも紹介したネム(XEM)は『プラットフォーム型』でもあるため、支払いだけでなくその技術を活用して新たなサービスを作り出すこともできるように開発されています。
ここで紹介するのはごく一部ではありますが、代表的であり大きな期待を集めている『プラットフォーム型の仮想通貨』としては次のようなものが挙げられます。
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- イオス(EOS)
- アイオータ(IOTA)
- ネム(XEM)
- カルダノエイダコイン(ADA)
プラットフォームについての知識を深めたい方はこちら
その他の種類と注意点
一般的な仮想通貨は基本的にこのような用途で使用されています。
これらの中での微妙な違いなどによって、より詳しく分類されることによって複数の新たな分類があるということを覚えておけば、各種通貨の価値の判断にも役立てることができるでしょう。
具体例としては、支払い型の通貨には幅広い商品の支払いに利用できる通貨の他に『特定のサービスのみで利用できる通貨』などもたくさんあります。
また一部の通貨では、利用価値のない『寄付型』とも呼ばれる通貨も存在するため、実際に仮想通貨を購入する際には、その通貨でどのようなことができるのかをしっかりと確認することが重要です。
寄付型の通貨は、仮想通貨を発行している団体の資金調達のためのものとして存在するため、購入して得られた仮想通貨は利用できる場所も存在しないため、純粋に寄付することになります。
このようなケースでは英語でははっきりと利用価値がないことが記されているものの、説明を読まずに購入してしまう人も多かったためにトラブルになったケースもあります。
そのような失敗を犯さないためにも仮想通貨を購入する際には、その通貨の目的や特徴を理解するようにしましょう。
実際に仮想通貨を使ってみたいという方は、今回紹介した『支払い型』の通貨の中から利用できそうなものを探してみてください。