NEC:ブロックチェーン用いた「IoTデバイスのセキュリティサービス」販売へ
NECは2020年4月8日に、様々なモノがインターネットに接続される「IoT」の普及において重要な課題となる"通信量"を削減する装置「NEC AI Accelerator」と、それに関連するサービスを2020年7月から提供開始することを発表しました。同社は「NECが有するIoTセキュリティ製品・セキュアに製造されたエッジデバイス・ブロックチェーン技術」を組み合わせて"セキュリティサービス"として提供することを計画しています。
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IoT関連の「トータルセキュリティサービス」を提供
NECが開発した「NEC AI Accelerator」は、天井や壁などに設置することができるエッジデバイスであり、このデバイス側でデータを高速処理することによって、IoT関連のデータ通信量やクラウドへの負荷を削減することができるように設計されています。
具体的には「オフィスの顔認証入退で活用するカメラやゲート・空調やエレベータなどのビル設備管理・産業用制御装置」などといったIoTデバイスの管理に活用することができるようになっており、防犯カメラに活用した場合には映像データから顔認証を行う際に"顔部分だけ"を検証することができるようになり、通信量を9割以上削減することができると伝えられています。
「NEC AI Accelerator」の製造時には、部品や検査情報などといった生産管理プロセス中に生成される情報をブロックチェーン上に記録することによって、デバイスの真正性を確保すると説明されています。さらに、IoTデバイスの運用データもブロックチェーンで管理されるため、データ改ざんのリスクから保護することができ、IoTデバイスが正しく安全に運用されている事を確認・追跡することができるようになっています。
NECは「NEC AI Accelerator」を提供するだけでなく、「管理ソフトウェア」や「IoTセキュリティ製品群」を含めたサービスをトータルで提供することによって「NEC AI Accelerator」を中核としたセキュリティサービスを提供すると説明しています。
将来的には、これらサービスの対象を他のエッジ・IoTデバイスやシステムを構成するサーバーなどの自社製品に広げるとともに、セキュアなデバイス製造ノウハウをセンサー・カメラ・工作機械・産業用制御装置などといったIoTデバイスを製造するパートナー事業者に展開することも計画されているため、業界全体のセキュリティ向上につながると期待されます。