コインチェックNEM流出事件速報【随時更新】
2018年 1月26日に発生した、大手仮想通貨取引所 coincheck(コインチェック)から巨額のネム(NEM/XEM)が流出しました。事件後の詳細を随時更新していきます。
- 1. コインチェックから約580億円相当のNEMが不正流出
- 2. NEMの保有者全員に日本円で返金すると発表
- 3. 金融庁、コインチェックへ業務改善命令
- 4. 金融庁、コインチェックへの立ち入り調査実施
- 5. 警視庁にサーバー内のデータを提出
- 6. 流出したNEM、匿名暗号通貨DASHで資金洗浄中か?
- 7. 2月13日には、「日本円」の引き出しを再開
- 8. 金融庁、各取引所の立ち入り調査を週明けから本格的に開始
- 9. 業務改善命令に関しての緊急記者会見
- 10. 他社との資本提携を模索中
- 11. 金融庁から新たな業務改善命令が発表される
- 12. 記者会見で事件の概要から今後の対応について発表
- 13. 一部の仮想通貨の出金、売却を再開
- 14. NEMの資金洗浄が完了
- 15. コインチェックに新たな損害賠償請求
- 16. マネックスグループがコインチェックを買収
コインチェックから約580億円相当のNEMが不正流出
コインチェックNEM流出事件のニュース映像事件の発端は2018年 1月26日、大手仮想通貨取引所であるコインチェックは、自社で取り扱う仮想通貨ネム(NEM/XEM)の入金を停止し、その後すぐに売買・出金も停止しました。やがてユーザーがコインチェックで異常な送金があった事をTwitterで報告し、様々な噂がささやかれました。夕方には取扱う全仮想通貨の出金を一時停止、最終的には日本円の出金までもが停止となる事態になりましたが、コインチェックからの具体的なアナウンスはありませんでした。
しかしその後、NEM財団の代表からコインチェックがハッキングされ巨額のNEMが不正に送金されたことが発表され大騒ぎになり、深夜の記者会見では
- 不正アクセスによってコインチェック保有NEMのほぼ全てが不正送金され
- 送金されたNEMは約5億2000万枚(約580億円)に相当
- コインチェックはNEMの管理をホットウォレットで行いマルチシグ対応もなし
などが判明し、事件前 120円程だったNEMは一時 80円を割り込むまでに下落、マウントゴックス事件を超える史上最大の盗難事件となりました。
NEM財団が犯人を追跡
事件後、NEM財団は流出したNEMにモザイクマーキングすると発表しました。これにより流出したNEMはタグ付けされた形となり、犯人を追跡する事が可能になり、財団は様々な意見を浴びましたが、NEMは20%ほど高騰しました。
ホワイトハッカー(JK17)
またこの時辺りから、ある人物が注目を集め始めました。ホワイトハッカー(善意のハッカー)と呼ばれるこの人物は、追跡プログラムが作成されている時から独自に犯人を追跡し、ボランティアでNEMの移動を記録していたそうです。
Twitter上で話題となったこの人物は、「Rin,MIZUNASHI(JK17)」というアカウントの持ち主で、「17歳女子高生の凄腕ハッカー」として話題になりました。
しかし、この"「 JK(17)」は「女子高生17歳」という意味ではなく「自宅警備員17年間」という意味だそうで、ベテランのひきこもりハッカーを意味する"そうです。
NEMの保有者全員に日本円で返金すると発表
28日、コインチェックはNEM不正送金に対する補償方針について「NEM の保有者全員に、日本円でコインチェックウォレットに返金する」と発表しました。
- 総額:5億2300万 XEM
- 保有者数:約26万人
- 補償方法:NEM の保有者全員に、日本円でコインチェックウォレットに返金
- 算出方法:NEM の取扱高が国内外含め最も多いテックビューロ株式会社の運営する仮想通貨取引所 Zaifの XEM/JPY (NEM/JPY) を参考にし、出来高の加重平均を使って価格を算出いたします。算出期間は、Coincheck における NEM の売買停止時から本リリース時までの加重平均の価格で、JPY にて返金いたします。
- 算出期間:売買停止時(2018/01/26 12:09 日本時間)〜本リリース配信時(2018/01/27 23:00 日本時間)
- 補償金額:88.549円×保有数
- 補償時期等:補償時期や手続きの方法に関しましては、現在検討中です。なお、返金原資については自己資金より実施させていただきます。
金融庁、コインチェックへ業務改善命令
29日、金融庁はコインチェックに業務改善命令を下す方針を固めた。と報道がありました。セキュリティ対策、経営などに問題があることなどから、原因追及と再発防止を厳しく追及していく方針とのこと。
コインチェックが業務改善命令について正式に公表
29日、下記の書面にて公表がありました。
当社に対する金融庁の業務改善命令について
コインチェック株式会社は、このほど発生した不正アクセスによる仮想通貨NEMの不正送金に関連し、本日、金融庁から資金決済に関する法律第63条の16に基づく業務改善命令を受けましたことをお知らせいたします。
当社では、今回の措置を厳粛かつ真摯に受け止め、深く反省するとともに、早期に、事案の事実関係と原因究明、お客様の保護、システムリスク管理態勢にかかる経営管理態勢の強化ならびに、実効性あるシステムリスク管理態勢の構築及び再発防止策の策定を進めていく所存です。
改めまして、お客様をはじめとする関係者の皆様に、多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。また、今後、策定する改善策を着実に実施することにより、お客様の信頼回復に向け、最善の努力をしてまいります。
記
Ⅰ.業務改善命令の内容
1. 本事案の事実関係及び原因の究明
2. 顧客への対応
3. システムリスク管理態勢にかかる経営管理態勢の強化
4. 実効性あるシステムリスク管理態勢の構築及び再発防止策の策定等
5. 上記1から4までについて、平成30年2月13日(火)までに、書面で報告すること。
以上
SBI北尾社長、コインチェックの資産管理を徹底批判
30日、SBIホールディングスの北尾吉孝社長は自社の決算説明会で、今回の事件について言及し、コインチェック対して「こういう輩はカス中のカス」と猛烈に批判しました。
北尾社長の発言に関する詳細はこちらを参照
金融庁、コインチェックへの立ち入り調査実施
2月2日の朝、金融庁はコインチェックへ立ち入り調査を開始しました。29日に業務改善命令を下しましたが、「ユーザー補償資金の返金能力や安全管理体制や代表の詐欺疑惑など詳しく追及していく必要がある」などのことから、報告を待たない形での強制立ち入り調査という異例なものとなりました。
また調査の結果としては、「代表やCOOから聞き取り調査を行った結果、資金の出処が不鮮明。」とのことで、今後コインチェックには検査官10人が常駐することになりました。
*2018年2月5日追記
その後、5日に行われた衆院予算委員会で麻生太郎金融担当相は、コインチェックの顧客資産の保管状態について、
「まずはその状況を検証していくことになる。(検証は)終わっているわけではない」と述べています。
警視庁にサーバー内のデータを提出
*2018年2月6日追記
6日、コインチェックが警視庁にサーバー内の通信記録などのデータを提出した事がわかりました。警視庁はこれから、データを解析し不正アクセス禁止法違反容疑などを視野に入れて、流出の経緯や流出先口座の所有者の割り出しを進めるとのことです。
しかし、もし今回の犯人が、複数の海外サーバーを経由していたり、犯人が海外在住だった場合には、各それぞれの国にも捜査協力の要請が必要となる場合もあり、相手国との関係によっては、日本への引き渡しが行われない可能性もあることから、今後も問題は多く残っています。
流出したNEM、匿名暗号通貨DASHで資金洗浄中か?
*2018年2月7日追記
複数のウォレットに分散されたNEMが、匿名性が高い事で有名な仮想通貨「DASH」を通して資金洗浄されている可能性があるようです。
事件後、犯人の取引記録を追っていた人々の内の1人が、2月2日にあるメッセージを含んだ犯人への送金記録を発見しました。
これは「NDUO6J6H253GULLVXJU66CIEYQYBOWU5DOYUZMZF」というアドレスから犯人に送られたメッセージです。内容としては「洗浄ルートが確立できた」と書かれており、DASHでの送金確認も行なっていることが分かります。
このアドレスは、2月1日に別のアドレス宛てに 1000 XEM(約5万円)を送金しており、「XqxzCwb5vmAEWBWFZWKnegQhBGtzgjy1V5」というDASHのアドレスも一緒にメッセージとして送っていました。
そして2月6日には犯人の本アドレスから、
計55000 XEM(約275万円分)が二回に分けて行われています。
このような内容を踏まえて考えると、犯人はすでにDASHを通した資金洗浄のルートを確立させており、少額づつ換金を始めたように見えます。
詳しい事は分かっていませんが、もし事実であれば今後さらに追跡が厳しくなり、新たに大規模な対策が必要となるかもしれません。
詳しい内容は以下のブログをどうぞ
>> 無能ブログ
2月13日には、「日本円」の引き出しを再開
*2018年2月9日追記
コインチェックは、顧客から預かっている資産のうち「日本円」の引き出しについてはシステムの安全性が確保できたとして来週 13日にも再開する方針を固めました。一方で、被害者への補償の時期や顧客から預かっている「仮想通貨」の引き出しのめどは依然として立っていないとのことです。
コインチェックの公式発表ページはこちら
>> coincheck 日本円出金再開のお知らせ
金融庁、各取引所の立ち入り調査を週明けから本格的に開始
8日、金融庁はZaifを運営する「テックビューロ社(大阪市西区)」と、「GMOコイン(東京都渋谷区)」に職員を派遣したと発表されました。
各社の通貨保有率や保管状況を精査するために、週明けから本格的に検査員が常駐することになるようです。
業務改善命令に関しての緊急記者会見
2月13日の午後8時に、コインチェックの本社で業務改善命令に関して大塚雄介COOが緊急記者会見を開きました。会見では、事件後に浮上した様々な疑惑などについても多くの質問が寄せられましたが、具体的な返答はあまり得られない形となりました。
また、金融庁とのやりとりや再発防止のための対策についても、お答えできないとのことで、記者からの追求に対して同じ説明を繰り返す一面も見られました。
事業自体や金融庁への登録作業は継続するとのことです。
詳しくはこちら
他社との資本提携を模索中
*2018年2月21日追記
2月19日、コインチェックが他社との資本提携を模索していることが分かりました。役員の受け入れや傘下入りなどを含め、幅広く検討しているとみられています。金融庁も後押しする方向です。
同業他社からの出資を募るのは難しいのではないかとみられており、商社や金融機関などが候補に挙がっている。コインチェックは他社からの出資を受け入れることで、事業や財務基盤を立て直す狙いがあるとみられます。
コインチェック側は取材に対し、「(資本提携について)検討中のものもある」と認めています。
コインチェックは、
補償などを含めた顧客への対応
仮想通貨の保管に関する安全管理の徹底
経営責任の明確化
などを盛り込んだ業務改善計画を13日に金融庁に提出しました。
しかしコインチェック側の説明に不明瞭な点が多いことなどから、金融庁は同社の経営態勢に不信感を募らせています。金融庁は、登録申請中の「みなし業者」であるコインチェックの登録は当面難しく、抜本的な経営立て直しが急務と考えているようです。
コインチェックはこうした事情を踏まえ、事業継続を認めてもらうために他社との資本提携を模索しているという。コインチェック側は「破産とかではなく、事業継続の意思がある。見通しも立っている」としています。
金融庁から新たな業務改善命令が発表される
*2018年3月8日追記
3月8日の午前に金融庁はコインチェックを含めた7社の仮想通貨交換業社に対して行政処分を行いました。コインチェック社に対しては、今回で2度目となる業務改善命令が出されました。
詳しくはこちら
記者会見で事件の概要から今後の対応について発表
*2018年3月8日追記
2018年3月8日16時から行われた記者会見では、今回の事件の概要や今後の対策、対応などについて、和田晃一良代表取締役と大塚雄介取締役が1時間半に渡って説明しました。
3月8日の記者会見の記事はこちら
一部の仮想通貨の出金、売却を再開
2018年3月12日にコインチェックは、一部の仮想通貨の出金と売却を再開することを発表しました。
翌日3月13日には、実際に仮想通貨の出金が完了したとの報告が相次いでいます。
出金と売却再開の記事はこちら
NEMの資金洗浄が完了
3月24日には、流出した約580億円分のネム(NEM/XEM)のほぼ全額がほかの仮想通貨に交換されたことを複数の報道機関が専門家の話として伝えています。北朝鮮による犯行の可能性は低いと見られている他、捜査本部が通信記録を解析した結果、流出の数時間前まで欧米のサーバーからの不審な通信記録が確認されてはいるものの、発信元の特定には至っていないとのことです。
販売後の闇サイトに掲載された画像とは?
コインチェックに新たな損害賠償請求
3月30日に、新たな損害賠償請求が提起されたことが明らかになりました。弁護士法人ITJ法律事務所は、被害を受けた15人の損害賠償請求を3月30日に東京地裁へ申立てたことを、4月2日に明らかにしました。申立の概要は、原告は15人、請求総額は約8,200万円とのことです。
損害賠償請求に関する記事はこちら
マネックスグループがコインチェックを買収
4月6日にマネックスグループは、コインチェックを買収することを正式に発表しました。コインチェックの全株式を36億円で取得し完全子会社にするとのことです