スペイン銀行:中央銀行デジタル通貨(CBDC)を「今後の優先研究課題」に盛り込み
スペインの中央銀行である「スペイン銀行」が公開した最新の戦略計画書の中で、今後4年間で優先する研究課題の1つとして「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」が挙げられていることが明らかになりました。スペイン銀行はデジタルID・機械学習・人工知能などの最先端技術を金融分野に活用した場合の影響やメリット・デメリットを分析すると説明しています。
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CBDCの影響や設計などについて検討
スペイン銀行が公開した「戦略計画2024」というレポートの中では、スペイン銀行が2020年〜2024年までの期間にかけて取り組む分析・研究の優先事項として以下5つの項目が挙げられています。
- 中央銀行の政策とその相互作用
- スペイン経済の長期トレンド
- 国際環境から生じるリスクと機会
- 個人と企業の異質性がもたらす結果
- 新しいテクノロジーと情報:中央銀行の課題
中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する内容は5番目の項目「新しいテクノロジーと情報:中央銀行の課題」の中に含まれており、具体的には『中央銀行デジタル通貨の導入が金融システムと経済全体に与える影響を分析し、デジタルIDに関する側面を含めた様々な設計提案を検討する』と説明されています。
新しいテクノロジーと情報の項目では、CBDCの他にも『金融サービスにおける機械学習と人工知能の活用を評価するためのフレームワーク開発』などが挙げられており、"これらの最先端技術を金融分野で活用することによってもたらされる影響やメリット・デメリットを分析する"と説明されています。
今回の計画書の中では『中央銀行デジタル通貨の導入がもたらす影響の分析・設計提案』が挙げられていますが、スペインは欧州連合(EU)の一部であるため、CBDCの研究開発は独自で行うわけではなく、最終的には欧州中央銀行と協力しながら進められていくことになると考えられています。
欧州連合(EU)加盟国ではこれまでにもCBDCの研究が進められてきており、エストニア・リトアニア・フランス・スウェーデンなどの中央銀行がCBDCプロジェクトを発表しています。
また、今月初めには「欧州中央銀行(ECB)」がEU圏の中央銀行デジタル通貨である「デジタル・ユーロ(Digital Euro)」の商標登録を申請したことなども報告されています。